2017年04月28日Fri [06:22] モンゴル  

田中克彦自伝

田中克彦自伝: あの時代、あの人びと田中克彦自伝: あの時代、あの人びと
田中 克彦

平凡社 2016-12-09
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書き下ろしなのか。83歳だから、そういう準備も必要なのだろうが、登場する人物は故人が多くなっているから、その時期を待っての出版だったのかもしれん。佐々木千世子という人は思わず検索してしまったが、開高健の小説は彼女が事故死した後に出たのか。開高もえげつないが、徹底的にダメ出ししていて、この小悦を褒めたC・W・ニコルにもその矛先を向けている。岸陽子は東京外語の同期らしいが、台湾から映画の買い付けに来るバイヤーの通訳で、教授より収入が多かったという。しかし、戦後10年くらいで、日本語の分からず、岸の大陸中国語が分かるバイヤーが台湾から日本映画の買い付けに来ていたのか。映画は統制産業だったから外省人がその役を担っていたのかもしれんが、どうも腑に落ちない話である。岸は田中とタメで、まだ存命だと思うが、ダンナの安藤彦太郎とは17も離れていたんだな。その辺では岡田英弘も出てきて、岡田の前妻も若い妻だったそうだが、家柄のいい人で、田中を毛嫌いし、岡田は完全に妻のいいなりであったという。結局、長い期間かけて、離婚に成功し、岡田は宮脇淳子と再婚するのだが、歳の差は21か。中国関係では同僚だった溝口雄三だが、東京外語で、研究に必要な西洋語を第三外国語で必修にしようとしたところ、自分は中国語だけで世界を渡り歩いている、西洋語などを勉強するのは植民地根性だと猛反対したのだという。たしかに中国研究ならそれでもいけるだろうし、岩村三千夫などは中国語もできなかったという話もあるのだが、モンゴル語とかになると、ロシア語、ドイツ語の文献が読めないと研究にはならなかった様だ。戦中戦後の話とか結構面白い話あり。

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2017年04月28日Fri [05:54] 中国  

中国の論理

中国の論理 - 歴史から解き明かす (中公新書)中国の論理 - 歴史から解き明かす (中公新書)
岡本 隆司

中央公論新社 2016-08-18
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次の講談社からの叢書もスタンバイしているので、こちらの方を先に読む。中国・中国人が好きか嫌いかと聞かれれば、嫌いだと言い切ってしまうのはスゴイな。おもしろうかつまらないかでは前者というフォローはあるのだが、これは経験則ではなく、印象論なのかな。それでいて嫌中本を批判しているのだから訳分からんが、汝の敵を知るという姿勢の方が的を射ることも多い。中国が本当に中庸なのか私も判断がつかないけど、中庸だからこそ神秘主義は育たないというのはあろう。ローマ法王の権威を認め、プロテスタントの宣教師を入れたとしても、中国化しない限り大衆化しないだろうし、中国共産党が「インターナショナル」に隷属ていれば、今も政権を担っていることは無い。言うなれば中国の論理こそが絶対権威であり、不可侵であるのだが、それが特定の明文化されたものではないが故、中国の論理はご都合主義の粋を超えないのである。「中国の夢」をどう解釈するかは習近平なり、中国共産党が決めることであり、日本の論理がその対抗軸として置かれることは無い。つまりは対等な話し合いというものは成立しないのだが、日本が米国の従属国家だとしている人たちは中国には何で中国には従属しないと思えるんだろう。

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2017年04月27日Thu [04:20] ペルー  

ペルーの和食

ペルーの和食:やわらかな多文化主義 (慶應義塾大学教養研究センター選書 16)ペルーの和食:やわらかな多文化主義 (慶應義塾大学教養研究センター選書 16)
柳田 利夫

慶應義塾大学出版会 2017-04-05
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柳田利夫先生か。単著は15年ぶりの様だ。慶應義塾大学教養研究センター選書だが、分量が限られているので、あえてテーマを絞ったんだろうな。おそらく先行研究と言えるようなものはないが、ハワイにはあった様な。ペルーの和食文化はブラジルよりもハワイやアメリカに近い感じである。ブラジルはあまり現地化することなく、白いご飯が最後の砦になることもなかったのだが、ペルーの方がより混血度が高いということであろう。ブラジルが特殊なのは和食が中華に優位性を保っていたことで、それは主に人口的要因なのだが、ペルーの場合、日系の会合などでも中華が使われていて、安くて量がある中華の対極である和食は一般化しなかった。最近のフュージョン和食ブームはアメリカの影響という事もあるが、出稼ぎなどで日本経験者が多くなったというか、日本経験の無い日系人自体が少なく、日系人としての日本経験者はとある事情で日系人人口の分母を上回っているかもしれん。

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2017年04月27日Thu [04:02] フィンランド  

MOIMOI そばにいる

MOIMOI そばにいるMOIMOI そばにいる
かくたみほ

求龍堂 2017-02-01
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フィンランドも63冊も読んでいれば、MOIMOIが何を意味するかは分かるのだけど、モイモイ、ヘイヘイとかやはり日本語っぽい響きがあるな。写真はラップランドばかりなので、果たしてサーミ語でも同様の表現なのか分からんのだが、大学書林のページでは「北欧3国からロシアのコラ半島にかけての広い地域に住むサーミ人8万の半数の母語であるフィンランド語に近いサーミ語(ラップ語)」という記述がある。サーミの人の生活言語がフィンランド語化したのかもしれんけど。

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2017年04月27日Thu [03:42] 米国  

トランプ政権でこうなる!日本経済

トランプ政権でこうなる! 日本経済トランプ政権でこうなる! 日本経済
岩崎博充

あさ出版 2016-12-22
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日経の類似タイトルものだが、あさ出版か。最初から狙ってつけたのかもしれん。とりあえず、今のところ基地撤退も防衛費負担もないのだが、譲歩を引き出すカードとして担保している訳だ。ただ、そんなことをやっていると狼少年であることバレるので、国を限定した「イスラム教徒入国禁止」などを切ってみせたりもしている。それによる経済的損失と言えるほどのもなは無いだろうし、日本にとってもせいぜいラウドネスが被害に遭ったくらいである。となると、今後予想されるハードな交渉において、どれだけ譲歩するのかという、譲歩しなければどうなるのかを見極めていかなくてはならん。日本と中国の分断も使ってくるだろうが、日本はEUと足並み揃えるのも手である。

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2017年04月26日Wed [06:26] 台湾  

ユネスコ番外地台湾世界遺産級案内

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平野 久美子

中央公論新社 2017-03-08
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平野久美子は結構久しぶりだなという気がしたのだが。単独ではなく編者なのか。元々編集者だったそうだが、フリーライターのイメージが強いので意外に思ったのだが、(社)「日本から台湾の世界遺産候補地を応援する会」理事の肩書きとしての編著者らしい。そんな社団法人があったとは知らんかったが、執筆陣はそのメンバーなのだろうか。湾生の人もいて、一番若くても40代後半くらい。元産経の迫田勝敏は70台後半だろうが、台湾にいて中日新聞通信員になっているのか。東京新聞に記事が掲載されレイバーネットが激怒している。鉄道は片倉氏ではなく、片木氏という人。鉄道模型製作のプロみたいで、片倉氏は島関係を担当。台湾に世界遺産が無いのは周知の理由からだが、ユネスコは別に中国の拒否権がある訳でもないし、さっさと登録してほしいものだ。

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2017年04月26日Wed [06:02] 中国  

「トランプ大統領」から始まる中国大乱

「トランプ大統領」から始まる中国大乱「トランプ大統領」から始まる中国大乱
黄 文雄 石 平

徳間書店 2016-12-22
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前の本で石平と黄文雄の対談本ってあったかなと書いたのだが、私が黄文雄本を外しているだけで、何回か共演があるんだな。同僚でもあったし、同じ日本国籍者でもあるのだが、石平が中共限定の中国嫌いに対して、黄文雄が大陸は全部嫌いという攻撃範囲の違いがあるように思っていた。その印象が変わることは無いのだが、石平は黄文雄の言うところの中国人と台湾人は別人種という概念は受け入れているのであろうか。台湾独立には反対はしないが積極的賛成ということはなかろう。中国大乱は中共崩壊の第一歩という希望的観測があるのではなかろうか。

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2017年04月26日Wed [05:50] ウルグアイ  

信念の女、ルシア・トポランスキー

信念の女、ルシア・トポランスキー ホセ・ムヒカ夫人 激動の人生信念の女、ルシア・トポランスキー ホセ・ムヒカ夫人 激動の人生
佐藤 美由紀

双葉社 2017-04-05
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さすがにムヒカ本ももうネタ切れだろうと思ったら夫人本が来た。メラニアが世界一金持ちのファースト・レディならルシアは世界一貧しいファースト・レディということにはなるんだろうが、生まれは上流階級の家で、本物のお嬢様がゲリラになるのはウルグアイでも珍しいことであった様だ。双子の姉も同じツパマロスでやはり投獄経験があるという。妹もゲリラとなったが、上の男三人兄弟はノンポリ、下の三姉妹がゲリラだったという。これは性格の差というよりも、時代の流れであった様で、男二人は父が仕事をしていたナリス政権下のドイツ生まれ、もう一人はウルグアイに向かう洋上の生まれで、双子と妹の三姉妹がモンテビデオの生まれだという。ちょうど多感な時期に政治の季節を迎えた訳だ。双子の美人ゲリラ(指名手配写真は結構カワイイ)は日本であってもスターになりそうだが、指名手配写真から逃れるために地下室で、同志の医学生がら整形手術を受けダンゴ鼻にしたのだという。医学生だから技術もなく、みんな同じ鼻になったのでゲリラ鼻と呼ばれたそうで、整形の意味があるのかとも思うのだが、メラニアの整形顔とは全然訳が違うな。

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2017年04月26日Wed [05:28] アフリカ  

食と農のアフリカ史

食と農のアフリカ史: 現代の基層に迫る食と農のアフリカ史: 現代の基層に迫る
石川 博樹

昭和堂 2016-03-31
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東京外大AA研のプロジェクト本らしい。編者の一人が准教授である以外はAA研どころか、東外大所属も出身者も一人もいないんだな。東外大にアフリカ言語の学科が無いことも一因であろうが、スワヒリ語学科があるのは大阪だけか。ただ、テーマは言語ではないので、この分野であれば文化人類学や農学系の出番。主食がイモか穀類かの違いが体格的、性格的に関わってくる事はなかろうが、生存や政治には関わってくる。新植民地的概念に於ける収奪農業がアフリカの貧困要因であるということは大分前から言われているのだが、農業保護策が機能するとも思えんし、かといって、農民を吸収する産業がある訳でもない。

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2017年04月25日Tue [06:32] 中国  

日本人と中国人

日本人と中国人――“同文同種”と思いこむ危険 (祥伝社新書)日本人と中国人――“同文同種”と思いこむ危険 (祥伝社新書)
陳舜臣

祥伝社 2016-11-10
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大昔に読んだような気もするのだが、新装版で新書に入ったので。大手出版社の編集者が会社を辞めざるを得なくなり、新しい出版社を立ち上げたので、その応援で出した本とのことだが、祥伝社はカッパの労働争議で退社した人たちが作った会社なのか。イザヤ・ベンダサンの同タイトルも同時期に同じ新書で復刊させているけど、混同されないかな。ただ、陳舜臣はイザヤ・ベンダサン(正体は当然知っていたはず)をかなり引用していて、どっちがメインか分からんがセット販売にはなろう。今読むと、フツーの「中国通」みないなものなのだが、竹のカーテンの当時では貴重な啓蒙書ではあったのだろう。邱永漢を揶揄している気もするが、気のせいか。陳舜臣の父親はゴア、ティモール、マカオを経て神戸に定住とあるのだが、これは普通の台湾人とは違うのではないか。陳舜臣が印度語学科に進んだのも、その関係かもしれんが、ゴアからティモール、マカオはポルトガル繋がりだけど、華僑だと宣教師とか通訳とかしたでないと、こういう流れはないんじゃないかな。まあこの辺は「全身小説家」と見る方が無難であろう。

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2017年04月25日Tue [06:13] 米国  

「ヘイト」の時代のアメリカ史

「ヘイト」の時代のアメリカ史:人種・民族・国籍を考える「ヘイト」の時代のアメリカ史:人種・民族・国籍を考える
- 兼子 歩

彩流社 2017-02-10
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教員虎の巻想定だと思うが、トランプとか在特会対策ではなく、曽野綾子なのか。フェイスブック繋がりの人たちらしいのだが、曽野記事で緊急会議みたいになっったんだな。曽野はアメリカではなく南アフリカの話をしたんだが、南ア屋もアフリカ屋の人もいなかったろうから、みんなが知っているアメリカで行こうという流れになったのだろうか。曽野は後日、チャイナタウンやリトル・トーキョーは良いものですという弁明をしたのだが、リトル・トーキョーの場所をよく知らなかったみたいで、そこが責められている。チャイナ・タウンとリトル・トーキョーを並べているのだから地理的概念ではなく、エスニック集合地域という概念で話をしたのだと思うのだが、まあ論争のツッコミは大抵そんな「知らない癖に言うな」という難癖から始まる。「インディアンズ」「レッドスキンズ」批判もあって、幾ら当事者が容認しても差別だからポリコレ的にダメというのは良いとしても、学歴が低く、低収入者層の許容度が高いというのはどうなんだろうね。まあ事実として書いているだけなんだろうが。

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2017年04月25日Tue [05:59] 東南アジア  

新自由主義下のアジア

新自由主義下のアジア (グローバル・サウスはいま)新自由主義下のアジア (グローバル・サウスはいま)
藤田和子

ミネルヴァ書房 2016-10-30
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ミネルヴァの「グローバル・サウスはいま」はこれで2冊目だけど、ここでいう新自由主義というのはアメリカの暗喩なのかな。中国、日本、アメリカ、そしてまた中国と、地域の覇権国家はいずれも新自由主義的傾向なのだが、それを経済的概念ではなく、政治的概念で論じたものを集めたような論集。共編者の藤田和子と文京洙は立ち位置が真逆の様な感じも受けるが、弾劾本にはなっていない。コラムは映画化されて自身の役を松坂恵子がしたというベトナム関係の人やフィリピンNGOの人も。北京語源大学卒業、ルーマニア政治行政学院修士、筑波大博士という人がいるが、この人はルーマニアの元外交官なのか。博論が中国の中央アジア戦略だったのかもしれん。温州商人ではなく、青田華僑について書いている人も。青田は温州と同地域とされる場合が多いと思うが、前に読んだ温州ネットワークの性格とはちょっと違う様な。外国語学校人気は移民に直結していることもあろうが、義烏で仕事が見つけられるというのもあるんじゃないかな。

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