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2013年02月24日Sun [23:50] ポルトガル | 本・雑誌 |読書メモ  

リスボン日記

リスボン日記―寛容をめぐる詩的断想リスボン日記―寛容をめぐる詩的断想
横木 徳久

思潮社 2012-10
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詩の評論家が日本に絶望し、50代で夫婦ともポルトガルに移住というと、全くつまらなそうなものに思えるが、意外な良本だった。著者の略歴は見当たらないのだが、別に早期引退して、海外で悠々自適ということではなく、全財産を引き払い、ほとんど貯金も無い状態で移住したので、50代にして日本料理店の接客から日本語教師とまずは食い扶持を確保という状況だったらしい。それは6年目の現在も変わらないそうで、異国に接した人間が高揚した気分で書く滞在記は「いい気なものだ」と思うらしい。リスボンの日本料理店事情は欧州のそれの縮図みたいなもので、中国人経営、アジア系従業員というパターンが多いそうだが、だからと言って、日本人シェフのいる店が良いかというと一概にそうとも言えないのだとか。パリやロンドンなら一流の料理人が日本から来るが、リスボンでは速成の寿司職人学校を出たものが最上等で、むしろ日本の居酒屋でバイト経験のある中国人の方がしっかりしているらしい。ポルトガルの「働き損」システムはギリシャなどとも通じるものだろうが、日本語教育事情なども興味深い。後半は詩の雑誌に連載したものらしいが、前半の書き下ろしが良かった。

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