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2013年02月18日Mon [00:58] ロマ/ジプシー | 本・雑誌 |読書メモ  

あるロマ家族の遍歴

あるロマ家族の遍歴―生まれながらのさすらい人あるロマ家族の遍歴―生まれながらのさすらい人
ミショ ニコリッチ 金子 マーティン

現代書館 2012-09
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ロマ研究でインサイダーによるものが少ないのは、アカデミックの場にロマ人材が少ないからかと思っていたのだが、ロマ社会では内部の事情を外部に漏らすことは御法度で、「立ったまま埋めてくれ」のインフォーマントはロマ社会から追放されたらしい。もちろん時代や国などによって事情が変わるだろうし、今はだいぶ「世俗化」しているのが現状かと思うが、この1941年生まれのユーゴ出身の著者の自叙伝は画期的なものだったらしい。ユーゴから兵役逃れで国境を越え、オーストリアに辿りつくまでの話も克明なのだが、登場人物は全て実在で実名であると断っているののも珍しい。国境を越え、無一文で言葉も出来ず、知り合いもいないという場合は日本人ならどうするか。そういう状態を想像できないかもしれんが、陸続きの大陸ではそういうことは日常茶飯事な訳で、この著者の場合、とにかく同胞を探すということで解決していく。おそらくそれが一番効率的なのだろうが、その為には何処に行っても同胞がいる、同胞社会は受け入れるという前提が必要な訳で、そうした条件を満たす民族というのは限られているのかもしれない。

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