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2012年09月30日Sun [02:32] ブラジル | 本・雑誌 |読書メモ  

ピダハン

ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観
ダニエル・L・エヴェレット 屋代 通子

みすず書房 2012-03-23
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福音派のアメリカ人白人伝道師がアマゾン奥地「未開」先住民に伝道へ行く、そうした舞台設定自体が特に私を含めた日本人読者にとっては多くに反感を抱かせるものだろうが、事実、ブラジル政府からも伝道目的の入域は禁じられていたのを学術調査目的で入り、教団が建設した飛行場補修を名目に居座ったのだという。伝道の為に、まずは言葉を覚え、聖書を作る為に文法もということで、そうした話が続くのだが、日本語訳もイマイチ変だし、色眼鏡で読み進んでいたのだが、最後に予想もしなかった大逆転ホームランが待っていた。MITでチョムスキーの門下にもいた人らしいのだが、どうもこのピタハンの言語はチョムの理論では説明できないという様なところから展開も怪しくなってきたのだが、その前段階で、子どもが大人とセックスしたり、自分が死の淵から救った子どもをあっけなく殺されたりなんてこともあって、段々と伝道師のモラルが揺らいでいた様である。言語を学ぶ者はその言語を話す者に尊敬の念を抱くということは外国語を齧ったことがある人は誰でも覚えがあるかと思うが、そうした伏線もあったのだろう。また、科学者として実証主義を追及する者が聖書をどう説明するかという矛盾に折り合いを付けることは、現実に見たものしか信用しない人間を前にしては挫折するより外ない。かくゆえ、伝道師がインディオに感化されて無神論者宣言をするというドラマが完成する訳だが、そもそも外来宗教は強制非強制、認知非認知に関らず、洗脳して精神的奴隷状態に追い込んだ結果であろう。

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