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2012年05月05日Sat [01:29] 米国 | 本・雑誌 |読書メモ  

万里子さんの旅

万里子さんの旅―ある帰米二世女性の居場所探し万里子さんの旅―ある帰米二世女性の居場所探し
入江 健二

論創社 2011-11
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リトルトーキョーの開業医として2冊の著書がある著者がLAの日本語誌に連載したある患者の人生聞き書き。著書は潰れる前の草思社から出していた様だが、今回は日本の編プロ経由でこの版元とのこと。著者自身は東大闘争の大元に関った人で、日本では総評系に属していたらしい。主人公は二世だが日本育ちで、満洲に嫁入りして引き揚げ、ダンナを結核で亡くして、38際で子連れで帰米という人なのだが、日本で金光教信者の婆さんに虐待されたという点が版元の利益に合致したのかな。朝鮮人を拉致まがいで強制連行。6万人を従軍慰安婦にしたとかいうところもミソか。引き揚げの苦労は日本のしたことと全て相対化され、南京はエドガー・スノー、731は森村誠一、歴史認識は野田正彰などが根拠にされている。主人公が実際にそう言ったのかどうか知らんが、「日本人が酷いことしたから、朝鮮人が報復するんだろう」として、図らずも「報復」があったことは暗示させている。ソ連軍兵士はいい男だと思ったとか、家政婦に行った将校夫妻に親切にされたかとも語らせているのだが、さすがにこの辺は暴虐行為があったことにも言及している。1960年にビザを取って帰米したというのは日本のパスポートでということなのか。当時の帰米は呼び寄せが主だったというが、国籍関係がどうなっているのかが分からない。建前上、現在でも二重国籍を日本が禁止しているから、わざとぼかしたのかも。ちょっと前にNHKスペシャルで、自分の日米両国のパスポートを見せていた爺さんが出ていたのが。

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