FC2ブログ
2012年05月01日Tue [01:21] 中国 | 本・雑誌 |読書メモ  

「牛鬼蛇神を一掃せよ」と文化大革命

「牛鬼蛇神を一掃せよ」と文化大革命―制度・文化・宗教・知識人「牛鬼蛇神を一掃せよ」と文化大革命―制度・文化・宗教・知識人
石 剛

三元社 2012-03
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


これもよく分からんのだが、中国在住中国人による論文集でありながら、企画は日本で、一部香港で出版したものの、編集・監訳者の所属する成蹊大学の研究成果本であるらしい。むろん原文は中国語なのだが、香港で出したタイトルは何だったのだろうか。このタイトルだと文革ものっぽいのだが、文革だけでなく、50年代の思想改造などもある。中でも王力雄がチベットに関して2本書いているのが異色なのだが、この2本は読み応えあり。王力雄は香港の読者を想定して書いたのかどうか知らんのだが、こういう説明の仕方は中国人にとっては理解しやすいものであろう。単純に考えれば毛沢東時代のチベットが安定していたのに、中国共産党がチベット仏教を保護したり、チベット文化を認める様になってからより当局に対する反攻が厳しくなったのはなぜかと中国人は思うのだが、王の解釈だと、中共は一度、宗教を否定して毛沢東を神に据え置いたのに、今になってあれは間違いでしたチベット仏教を認めますでは中共に対する信用はむしろ低下するだけであると。チベットに階級闘争が起こらなかったことは天皇主権時代を経験している日本人から見れば不思議ではないのだが、中共もダライラマ自身に「人間宣言」させることに成功していたら、今日の様な事態にはならなかったかもしれない。後にパンチェンラマは身を以って「人間宣言」させられてしまったが。中共が名分にあげる「農奴解放」にしても、今日のチベットで富者となっているのはかつての貴族であり、貧者はかつての農奴であるという。つまりは構造的には「旧世界」が復活したのだが、これが現実である。経済問題がチベット問題の本質であるとする中共代弁者の京大マル経教授などもいるが、階級闘争はどうなったんかいな。

Re Comments.

Comment Form.

  管理者にだけ表示を許可する