![]() | 魔都上海に生きた女間諜-鄭蘋如(テンピンルー)の伝説 1914-1940 (平凡社新書596) 高橋 信也 平凡社 2011-07-16 売り上げランキング : 79894 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この鄭蘋如については去年、別の著者で評伝が出たばっかなんだけど、先を越されたってことなのかな。一応去年のも参考文献に入っているけど、文中での言及はナシ。それが理由なのか分からんが、鄭蘋如の評伝というよりも、例の丁黙邨暗殺未遂事件と事件を題材にした作品群の解説が中心。事件を題材にした映画としては「ラスト・コーション」が有名というか、これで鄭蘋如や事件を知られる様になったと言って過言ではないが、事件を最初に扱った映画は1941年の「上海の月」だそうで、鄭蘋如役は山田五十鈴なのだそうだ。この半分しか現存していないフィルムを著者は未見だそうだが、私はフィルセンで観たな。その時の感想を読み返すと山田五十鈴の中国語が自然だったというものだが、当時の技術では吹き替えはすぐに分かる。しかし、これが鄭蘋如を題材にした映画だとは全く気が付かなかった。丁黙邨役が出ていたかどうかの記憶は無い。もちろん完全版でもエロシーンなどあるはずもなかろうが、張愛玲の「ラストコーション」原作もエロシーンなどは無い。川島芳子などと違って、この人は中共統治下で「名誉回復」した訳だが、その最期はナマナマしいな。親父が法曹の人なのに、裁判もなく騙し死刑か。これでは川島芳子みたいに生存説が出る余地はないのだが、近衛ジュニアでも救出は出来んかったのかな。


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