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2011年09月14日Wed [01:10] ヨーロッパ | 本・雑誌 |読書メモ  

海を渡った柔術と柔道

海を渡った柔術と柔道―日本武道のダイナミズム海を渡った柔術と柔道―日本武道のダイナミズム
古賀 徹 高木 勇夫 市場 俊之 松井 良明 磯 直樹 坂上 康博

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類本は結構ありそうにも思えるのだが、これは編者がヘイオンワイで100年近く前に日本人がイギリスで出した柔術の教本を買い求めたことに始まり、後にイギリスでの柔術ブームについて書かれた論文に触れたことで自ら企画を立てて、原稿を集め完成させたという。ヨーロッパの他に北米、南米への柔術、柔道発展史がある。柔術と柔道の違いは前者が武術で後者が武道と言ってしまえばそれまでなのだが、スポーツ競技としての柔道はJUDOとローマ字表記で区別されるらしい。柔道がここまで世界的に広まったのも、それが普遍的価値観を内包していたからであって、フランスでの国民化には子どもたちに礼儀作法と騎士道を学ばせるという認識が強く影響しているらしい。ということで、基本的に西洋の東洋受容という観点で論じられていくのだが、アジアに関しては柔道の発祥は中国や韓国なのかというコラムがある。執筆者が韓国の大学を訪れた時に、「先生は柔道の専門家とのことですが、わが国から日本に伝わった柔道の歴史について調査に来られたのですか」と質問され驚愕したそうで、調べてみるとたしかに韓国の辞典には柔道はわが国に逆輸入された」と書かれているらしい。ただその根拠は高句麗の古墳に描かれた壁画だそうで、二人の武士らしきものが上半身裸で相撲の様に組んでいる姿と、二人の舞踏家空手の組み手の様に相対している姿が描かれていてこれが柔道の起源なのだそうdがあ、同時に韓国ではシルムとテッコンドの起源だとも主張されているらしい。となると柔道どころか空手も相撲もレスリングもボクシングもムエタイも皆韓国が起源ということになってしまうが、この古墳の所在地は現在の吉林省であり、写真は「中国の古代スポーツ」から転載というオチ。また豊臣秀吉が朝鮮半島の柔術家を連れ去って日本に伝播した説もあるそうだが、製陶家の様にそんな話は記録にもないし日本では全く聞いたこともない。これに対して中国起源説はかなり具体的なもので渡来人である陳元ピンという人が日本呪術の始祖であるという記述が江戸時代の書籍に多く見られるという。この人の墓は名古屋に実在していて、書物には明の拳法を教えこれが柔術に発展したとあるらしい。実際はそれ以前に柔術が広まっていたとういう記録もあるので、嘉納冶五郎はその影響について、日本では当時、中国の芸術と文明が日本に尊敬されていたから、その威光を与える為であったとしているのだとか。まあいずれにしても中国人で柔道は中国から日本に伝播したと思っている人はほとんどいないだろうが、韓国人はマジで柔道は韓国から日本に伝わったと思っている様だね。この辺はあった歴史よりあるべき歴史の韓国人らしい民族主義史観なんだろうけど、ほとんど信仰みたいなものだな。

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