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現代サウディアラビアのジェンダーと権力―フーコーの権力論に基づく言説分析現代サウディアラビアのジェンダーと権力―フーコーの権力論に基づく言説分析
辻上 奈美江

福村出版 2011-03
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博論。このテーマは男性には困難であるが、女性にも研究環境的に困難であるので、貴重なものかと思う。著者はサウジの日本大使館に現調で出た人らしいが、主にアンケートとネットに頼った調査だった様で、著者の個人的交友関係に基づく話はほとんどない。フーコーの権力論と関連付けるのは苦し紛れな気もするが、それが博論というものなのだろう。たしか日本人女性でも留学でサウジに行っている人が結構いるはずで、内面的、実情的にはそうした立場の人がサウジアラビア人女性についてよく知っているのだろうけど、それはそれでまた書くことには制約があるのかもしれない。第三者的というのも変だが、男性でもなく西洋人の女性でもない著者の立場が自由な部分があるのか、性的にもかなりつっこんだ言及がある。もっともイスラームでは宗教的意味で性がタブー視されている訳ではないので、その辺に関するファトワーが出ているのは自然でもある。片倉もとこら日本人女性らによるサウジアラビア人女性に関する言説を差別され虐げられた存在であるという見方へのアンチテーゼと捉えているのだが、これはサウジ人女性がというよりイスラーム全般を代表した反論ではないかと思う。日本でも、家計を握っているのは女性といった言い方で、しばし欧米的な女性差別の決めつけに対する反証が出るが、まあ誇りある女性であれば、自分の国では女性は差別され、虐げられているなどと西洋人に訴えることはなかろう。

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