FC2ブログ
2011年05月24日Tue [00:26] 東アジア | 本・雑誌 |読書メモ  

幻想の東アジア通貨統合

幻想の東アジア通貨統合―日本の経済・通貨戦略を問う幻想の東アジア通貨統合―日本の経済・通貨戦略を問う
西村 陽造

日本経済新聞出版社 2011-01-21
売り上げランキング : 100301

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


日経なのに統合に否定的と思いきや、別に否定の意味はなく、プラスマイナス両面を見つめるということらしい。ただ、東アジア共同体とは違って、東アジア通貨統合は現実的には正に幻想の世界であって、熱心な共同体論者でも通貨統合には慎重な姿勢をとることが少なくない。もっともそのモデルをEUに求めていることこそが、共同体と通貨統合をセットで考える所以であって、ASEANにしてもNAFTA,或いは南米共同体においても通貨統合が実現している訳ではない。東アジアの場合、素dに発足しているそれら共同体よりも更に枠内通貨の不均衡が存在しており、中国と日本の経済と通貨におけるねじれ現象はより統合を困難なものとしている。将来的に人民元が国際通貨となり、日本の5倍程度の経済規模となれば、統合は現実味を帯びるらしいが、その場合はあくまでも人民元主導で統合が実現するということである。東アジア通貨統合とは事実上、円と人民元の問題であるからにして、円の更なる国際化を実現することにより、円主導の統合の可能性もなくはないそうだが、それは人民元が何らかの理由で破綻でもしない限り、中国政府が認めるところではないだろう。EUが通貨統合を成し遂げたのも政治統合がある程度進んでいるという前提があるからであって、ギリシャ救済をめぐって、各国の政治が大きく揺れている様に、政治と経済は不可分である。となると東アジア通貨統合の暁に求められるのは政治統合なのだが、こうなると政冷経熱などと言ってられない事態になっていることを日本は覚悟しなけらばならない。

Re Comments.

Comment Form.

  管理者にだけ表示を許可する