FC2ブログ
2011年05月23日Mon [01:02] タンザニア | 本・雑誌 |読書メモ  

アジアで出会ったアフリカ人

アジアで出会ったアフリカ人―タンザニア人交易人の移動とコミュニティアジアで出会ったアフリカ人―タンザニア人交易人の移動とコミュニティ
栗田 和明

昭和堂 2011-01
売り上げランキング : 541994

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


中国のアフリカ人研究はちょっと前の日本のブラジル人研究同様、エスニック研究のトレンドだったるするのだが、この本は凄いな。アフリカ人の中でも多数派であるナイジェリア人やソニンケ人ではなくタンザニア人だけにスポットを当てた結果、タテではなくヨコに拡がって、より交易商人の世界というものが見えてくる。それにしても感心させられるのは著者の徹底調査なのだが、在留タンザニア人については一人一人まで調べ上げている。さすがは知るためのマラウィ編を企画から一人で作り上げた人だが、タイにしても香港、中国にしてもタンザニア人の在住者自体は意外に少ない。在住者に限って言えば、これなら日本の方が多いかもしれない。12チャンで玉にホウ放送される在日アフリカ人嫁特集でタンザニア出身者は3人ほど記憶しているのだが、中国とか香港、タイだとタンザニア人男性と結婚した現地の女性はいても、タンザニア人女性を娶った現地の男はほとんどいそうにないな。タンザニア人向け美容院が存在すると言うことはそれ何の数の女性滞在者がいるのだろうけど。タンザニアもアフリカの常として多民族社会な訳だが、スワヒリ語という国語の普及はタンザニア人同士のネットワークに随分寄与している感じ。これもニエレレ時代の国民国家化がアフリカでは例外的に上手くいったからではあろうが。著者は業として研究調査を行ったに過ぎないのだろうけど、これだけ商売のシステムを調べ上げて、自分でやってみたいとは思わなかったのだろうか。インフォーマントがこれだけ協力的だったのも著者の人徳もあろうが、日本との関係ということが商人たちにとって魅力的であったこともあるのではなかろうか。まあアフリカではあるまいし、大学教授の職を捨てて商売の道に入るなんてことは日本ではないか。

Re Comments.

Comment Form.

  管理者にだけ表示を許可する