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2011年05月15日Sun [00:57] 中南米 | 本・雑誌 |読書メモ  

ラテンアメリカ十大小説

ラテンアメリカ十大小説 (岩波新書)ラテンアメリカ十大小説 (岩波新書)
木村 榮一

岩波書店 2011-02-19
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著者は神戸市外の学長さんらしい。東京外語とともに生え抜き学長か。この大学はスペイン語が強いとは聞いている。で、十大小説なのだが、ボルヘス 『エル・アレフ』、カルペンティエル 『失われた足跡』、アストゥリアス 『大統領閣下』、コルタサル 『石蹴り』、ガルシア=マルケス 『百年の孤独』、フェンテス 『我らが大地』、バルガス=リョサ 『緑の家』、ドノソ 『夜のみだらな鳥』、プイグ 『蜘蛛女のキス』、アジェンデ 『精霊たちの家』というところ。このうち著者が訳したのはボルへス、リョサ、アジェンデだが、他作品を含めればこれら全ての作家の作品を訳したことがある様だ。まあそれだけラテンアメリカ文学翻訳の世界は狭いとも言えるのだが、作家の生年もほぼ20世紀前半に収まる。女性はアジェンデ一人だけだが、ヨーロッパでの生活、政治亡命、知識人家庭の出といった背景もほぼ共通しており、庶民に読書の習慣はなく、作家は大学教授や外交官といった本職の傍らに小説も書くというのが一般的というのはその通りであろう。まあ実際日本でも小説専業で食べていける作家というのは限られてはいる。その意味でも所謂「魔術的リアリズム」も作家の自明のものではなく、形を変えた西洋文学への翻訳であるとも言えよう。

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