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2011年05月11日Wed [13:19] 中国 | 本・雑誌 |読書メモ  

証言 日中映画人交流

証言 日中映画人交流 (集英社新書)証言 日中映画人交流 (集英社新書)
劉 文兵

集英社 2011-04-15
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証言というかインタビュー集。故人の木下恵介だけが関係者のインタビューとなっている。他にも存命の適役者がいたのだろうが、たぶん著者は木下が好きだったのだろうし、「君よ憤怒の河をわたれ」が中国人の一般観客に衝撃を与えたとしたら、映画関係者のそれは「二十四の瞳」であったということか。木下がそこまで意識していたか分からんが、小さな島で戦争に翻弄される庶民、慈母の如くの日本人女性というのは当時の中国政府の「二分論」に合致するものであったろう。何と言っても目玉は健さんのインタビューで、「初恋が来た道」が好きとか本音が語られている実に貴重なものだけど、目を引いたのは栗原小巻の方。インタビュアーである著者も分かっていたかもしれんが、これはインタビューというか演技ではなかろうか。当時の中国映画人の模範的受け答えを模倣している様に思えた。栗原はソ連との関係も緊密だったが、この辺もスタニスラフスキー・システムの影響か。文革の悪夢が覚めやらぬ時代に劇場のトイレに隠れて一日三回「憤怒」を観たという少年が長じて日本に住み高倉健にインタビューするというだけで十分映画的なのだが、山田太一のコンビニから品物が無くなる様な打撃を日本は受けた方が良いなんていう発言を載せている。山田太一の発言は当然震災前だろうが、あとがきの日付をみると脱稿は震災後だね。

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