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2011年05月08日Sun [23:30] 中国 | 本・雑誌 |読書メモ  

蒋介石と日本

蒋介石と日本 友と敵のはざまで (東アジア叢書)蒋介石と日本 友と敵のはざまで (東アジア叢書)
黄 自進

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先日読んだPHP新書のとテーマが重なるが、こちらは中文史料を使いこなせる台湾の研究者によるものなので、通俗的な話ではなく、史実関係が充実。著者はビルマ生まれで日本での研究生活を経て、現在は中央研究院所属とのことだが、蒋介石研究は長年の偉人化からその反動の冷遇があって、民進党下野でまた持ち直したといったところだろうか。そうした揺れる評価を反映させたものとなっており、白色テロの時代ははっきりとした否定的評価。これは著者の同時代の記憶も関係してよう。例の「以徳報怨」に関しても日本が意訳したものということを指摘している。蒋介石は賠償放棄よりも中国軍の日本進駐要請を断ったことにより、結果的にソ連も進駐できなくなり、日本の分断国家化を防いだということを誇っていた様だが、これもあくまで結果論であって、日本側の抵抗がほとんどなかったことから、当初予定より進駐軍の規模を減らして米国一国で賄える規模になったところが大きかったようだ。実際、台湾にさえ敗残兵を送るしかなかったのに、四国のみといっても内戦中のこの時期に日本へ師団を差し向けるのはきつかったろう。それどころか大陸では何とか日本軍を防波堤として温存しようとしてたのだが、日本軍があっけなくソ連に武装解除して、結果的に東北を共産党に取られることになったことを著者は批判的に見ている。

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