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2010年09月22日Wed [02:59] 中国 | 本・雑誌 |読書メモ  

外交官が見た「中国人の対日観」

外交官が見た「中国人の対日観」 (文春新書)外交官が見た「中国人の対日観」 (文春新書)
道上 尚史

文藝春秋 2010-08
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韓国プロパーから、その「反日ストッパー」ぶりが買われて中国公使として、反日対策の先頭に立った著者の韓国編に続く中国奮闘記。ここ最近までの中国の気色悪い「親日」擦り寄り報道をみれば、著者の仕事は成果を上げたのだろう。現在は帰国して内閣官房入りしたそうだが、タイミングの悪いことに本の出版すぐにまた元の木阿弥に戻ってしまった。今頃は内閣官房でその対応に大顕わなのだろうが、こういう事態になったから言う訳ではないけど、この外交官の認識は甘過ぎるのではないだろうか。ちょっと前までの中国側の親日工作と連動しているとしか思えない。チャイナスクールではないから中国様の下僕となっている訳ではないけど、逆に中国が反日であることが自明な分、それに相反する動き、アニメの人気とか、日本を評価する声とか、日本に行った人たちの称賛とかそうしたものに浮かれてしまって、中国人の対日観の本質が見えなくなっている様だ。文化担当の外交官としては日本に旅行できたり留学できる富裕層や都市中間層、日本の事情を知る知識人とか、一流大学の学生だけを相手にしていれば良いと思っているのかもしれない。事実「対日関係」を考えれば、人口の圧倒的多数を占める農民とか日本製品にも日本旅行にも縁がない一般庶民を相手にする必要はないのだろうが、知識人も富裕層も大学生も総じて言えば、親日より反日の方が圧倒的であろうし、たとえ日本に理解を示したとしても今回の様な「核心」の事件で日本を擁護することは決してなかろう。ある程度情報を入手できる層は日本というより異文化に寛容になることが人間の質を高めるという意識がある訳で、むしろ外交官の仕事は上からの情報だけに縛られている層や、核心的反日層への浸透ではなかろうか。中国は大使館筋が日本の右翼団体に接触をかなりしているそうだが、日本の外交官が中国の若者と一緒に鉄腕アトムの歌を喜んでいる様では中国の掌で遊ばれているのと同じである。米国やEUは利害を共有できる反体制派や地下宗教家、少数民族独立運動などとも外交官が積極的に関係を構築している。中国や米国みたいに保釣団体にスパイを送ることは日本はせんでも良いから、対話を試みるくらいはできんのかね。

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