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2010年07月31日Sat [00:03] ドイツ | 本・雑誌 |読書メモ  

労働移民の社会史

労働移民の社会史―戦後ドイツの経験労働移民の社会史―戦後ドイツの経験
矢野 久

現代書館 2010-06
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戦後の労働移民をテーマにした研究ではドイツのケースが最も多いかと思うが、日本の研究書でここまでディープなものは初めて読んだ。この分野の第一人者の著書も批判しているが、なるほどこれまでのものは概説書に過ぎないのかもしれない。とにかく徹底した一次史料の読み込みにより完成された「ガストアルバイター」導入時の政府、企業、労組の方程式はドイツが現在抱える「外国人問題」の根源となるものだが、決して無計画に導入されたものではなく、当初より労働力の「調整弁」的色彩が濃かったことが分かる。イタリアやギリシャ、スペイン、ポルトガルといった労働者の供給源となった国がEUとして一体化した以上、やはりトルコからの受け入れに大きな誤算があったということか。帰還ドイツ人、東ドイツ、イタリア他南欧、ユーゴスラビアと順序を付けて労働力を受け入れたのには人種的意味合いよりも、将来的に統合できる目安があったかと思うが、トルコから大量に受け入れたのは、供給源が限られてきたというより、文化の差異から最終的には帰国するという見込みを立てていたからであろう。最終的にトルコがEUに加盟すれば、チャラになる問題なのかもしれんが、国民として統合するに至るにはあと三世代くらいはかかるんじゃないかな。ようやくエジルとか出てきたけど、次の次の大会くらいはドイツ代表も「フランス代表化」が顕著になるかもしれない。

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