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2010年07月30日Fri [02:42] 米国 | 本・雑誌 |読書メモ  

オバマを拒絶するアメリカ

オバマを拒絶するアメリカ―レイシズム2.0にひそむ白人の差別意識―オバマを拒絶するアメリカ―レイシズム2.0にひそむ白人の差別意識―
ティム ワイズ 上坂 昇

明石書店 2010-06-09
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著者は白人の反レイシズム活動家らしい。リベラルもラジカルを極めればこうなるのだろうが、オバマが大統領になったからって白人の差別は変わりませんよという啓蒙書。そんなことは黒人にとっては分かりきったことなのだろうが、白人リベラル層だと、オバマ政権誕生で、どこかしら肩の荷が下りた感じはあったのかもしれない。実際、差別が制度上のものではなく、意識上のものだとすると、この活動家を満足させる世界がその存命中に実現することはないかと思うが、その凄まじい白人による黒人差別の実態を並べ立てられると、夢も希望もない世界で異議申し立てをする意味があるのかという疑問も生ずる。アファーマティブ・アクションを逆差別として認定した有名な判例もあるが、黒人を正義とし白人を悪とする二分法ではもう現代の差別を論ずることはできないのではないかな。ヒスパニックやアジア系といった新しいアクターに対しては白人と黒人は利益が共通する部分があると思うし、オバマとかタイガー・ウッズの登場はもはや「血の一滴」ルールが怪しくなって、ブラジルの様にアメリカでも人種問題とはすなわち階級の問題であるという流れになってきている様に思える。それは日本でも警察が職質するのは作業着姿の人間と決まっているのと同じこと。ゲーテッド・コミュニティもゲットーも取り壊して、シンガポールみたいに民族混合型の団地に国民を住まわすことでも出来れば別だが、人種の棲み分けが進んでいるアメリカで差別が構造化するのはある意味当然の帰結かとも思う。

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