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2010年07月29日Thu [15:14] チベット | 本・雑誌 |読書メモ  

中国歴史偽造帝国

中国 歴史偽造帝国中国 歴史偽造帝国
チベット亡命政府情報国際関係省 有本 香

祥伝社 2010-04-27
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中国政府の出した「西蔵歴史档案会粹」というプロパガンダ書に対してチベット亡命政府が反論したものらしい。したがって原著は「A 60-POINT COMMENTARY」というもので、こんなSAPIO的タイトルではなかったのだが、どうもフリチベ陣営の手にかかると、チベット独立も反中国の手段みたいになってしまうので困ったものだ。そもそも「歴史」の概念が日本(および学術界の普遍的価値観)と中国では全く異なる。中国にとって歴史とは「偽造」ではなく「正造」するもので、その基準に合致しない歴史は全て「偽造」されやものとなる。つまりは歴史は政治の延長なのだから、歴史がプロパガンダの手段であることは自明のことである。チベット亡命政府としても、それは十分に分かっていることで、中国の「学説」が、中国国外では一部中国系学者や少数の中国盲従派学者(大西広とか)以外に全く影響を与えるものではないことを承知している。その上で反論はするが、同次元で争うことなどしないというのが本音だろう。歴史というものはホロコースト以降、弱者に理があることを前提する様になったので、「侵略された側」が「侵略した側」の負い目につけこんで、事実を膨らませて攻勢をかけて、「歴史」に対して復讐するといったマイナス面も見られるようになった。その点において中国がチベットに対して行っていることは全く逆のことで、その意味では中国が忌み嫌う「日本右翼」などとは近親憎悪みたいな間柄であろう。まあどうでもいいけど、もうちょっと読みやすい形で翻訳することはできなかったもんかな。

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