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2010年07月27日Tue [05:20] ヨーロッパ | 本・雑誌 |読書メモ  

全体主義

全体主義 (平凡社新書)全体主義 (平凡社新書)
エンツォ・トラヴェルソ 柱本 元彦

平凡社 2010-05-15
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著者はパリ在住のイタリア人研究者で専門はドイツなのだという。ファシズム、ナチズムを全体主義として同一線上に置くことが可能かどうかは別として、全体主義の概念がその体制からの亡命者によって形成されてきたものであることは、人類の理想に反する悪しき政治であることを前提としているので、その体制に抵抗したものを英雄化させる十分事足りる。一方で「全体主義」の内部でも一つの理想郷を形成しているということが前提となっているので、そこから脱落したものは裏切り者として処されることになる。これら全体主義の「初級段階」を悪魔化し、自由主義があたかも人類の崇高な理想郷であると宣伝したのがアメリカなのだが、乞食になる自由も、お金持ちになる自由もあるアメリカと、乞食になる自由も金持ちになる自由も無い「全体主義国家」のどちらが優れたシステムなのかは一概に言えるものではなかろう。

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