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グローバル化時代を生きるマヤの人々―宗教・文化・社会― (大阪経済大学研究叢書 第 68冊)グローバル化時代を生きるマヤの人々―宗教・文化・社会― (大阪経済大学研究叢書 第 68冊)

明石書店 2010-03-09
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明石の博論ものみたいだけど、大阪経済大学研究叢書というシリーズものだったのか。もう68冊も出ているそうだが、明石は自前の出版会がないところの看板貸しも結構あるな。ということで、著者は大阪経済大学の教授なのだが、60年代にエルサルバドルで働いたりするなど社会人から30代後半になって研究者の道に進み、今回めでたく還暦すぎての博士号取得と相成った様だ。博論のテーマがどれだったのか分からぬが、今までの論文まとめの如く、独立したテーマで区切られている。宗教儀式関連が第1部でこちらが専門と思われる。グローバル化関連としては先住民へのプロテスタント信仰浸透などもあるが、第2部のにまとめられておて、先住民復興運動、アメリカ、メキシコへのトランスナショナルな移動、そしてロサンゼルスの事例研究があり、最後のLAフィールドワークが一番興味深い。ロス辺りだと、ヒスパニックもメキシコ系が圧倒的なので、マヤ系との差異は第三者には可視化が難しいのだが、集住地や職業分布も微妙に違っていて、ロス暴動でアフリカ系と一緒に韓国系と衝突したのはグアテマラ系であったことは当時も指摘されていた。それは韓国系オーナーの縫製工場や店に雇われ、間借りし、割高な商品を買わされているという不満が鬱積してのものだったが、縫製工場が海外工場より米国内での零細工場の方が競争力を持つという仕組みは生産流通コストというよりも、移り変りが激しい流行に小回りに対処できるからか。韓国系が難なく進出できるのも、本国で同じ形態のビジネスが既に発達していたからではあろう。サラリーマン社会になって久しい日本では海外移住しても起業スキルが足りない訳で、中国、韓国系の移民が圧倒的になるのも単に経済格差の問題だけではなかろう。その点、資本もスキルもないグアテマラ人移民の行く末は移民社会の最下層に潜る道しかないのだが、グアテマラの韓国人移民の誘拐が相次いでいるニュースなどに接すると、何か米国での両者の関係が影を落としているのではないかとも疑ってしまう。

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