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2010年03月13日Sat [00:19] 中東/アラブ | 本・雑誌 |読書メモ  

イスラーム

イスラーム―知の営み (イスラームを知る)イスラーム―知の営み (イスラームを知る)

山川出版社 2009-10
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山川の「イスラームを知る」ブックレット。前に同胞団のを読んだが、こちらが第一巻。ということでイスラームとは何かの総論なのだが、そこはベテランの佐藤次高。100ページでうまくまとめてある。祈りの方向が最初はメッカではなくエルサレムであったことや、スンナ派は正統派に非ず、シーア派は「党派」の意など、中東紛争の要因となっているユダヤ教やイスラーム内での対立について、すっきり分かってくる。イスラームの奴隷制度にも詳しい解説があり、イスラームを単に「平和な宗教」とかで片付けたりはしない。奴隷解放も異教徒の受容も普遍的価値観として規定している訳ではなく、あくまでイスラームの教えの下に定義される。それは戦争についても同様であり、イスラームの平和とはイスラームが支配する世界における平和にでしか過ぎない。それはキリスト教や統一教会が言う「平和」も同じものなのだろうが、日本が金科玉条の如く、「平和教育」を叫んだところで、米国に原爆を落とされ降伏した国が米軍の核の傘の下で言う「平和」にしか過ぎない。平和は決して普遍ではないのである。

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