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2009年10月28日Wed [14:18] インド | 本・雑誌 |読書メモ  

インド特急便!

インド特急便!インド特急便!
伊藤真

光文社 2009-05-21
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この著者はインド系っぽい風貌なのだけど、そうではないカナダ人の元BBCインド特派員とのこと。BBCはインド系のメインキャスター使ったりして、全世界のインド系視聴者はアングロサクソン系のそれを軽く上回るのかもしれないけどインド系にインド特派員をやらせると、視聴者からインドに好意的過ぎるとの批判が出るものかもしれない(パキスタン系だとそれに非ずだが)。一方、白人がインド特派員だと、インド系視聴者からインドに厳し過ぎるとの批判が出るだろうから、その声が圧力となって、NYTの日系日本特派員ほど極端にならずとも、インド系特派員はインドに批判的に、白人系特派員はインドに賞賛的になる傾向が出て来るのかもしれない。その意味で、何系だかよく分からないこのカナダ人インド特派員の著者はインドで起きている変化を肯定的に捉え、インド系の自尊心に配慮を示すと同時にイギリスの影響力を明らかに過大とし、インドの変化から取り残された人々を取り上げ、インドの未来への甘過ぎる見方をも戒めるという見事なバランスの取り方。BBCがイギリス政府の意向とは別に、イギリス風の表現使わなかったりして、世界的な支持を集める為に腐心していることは知られているのだが、インドを異文化としてカルチャーショックを前面に出すことは全くなく、むしろ世界の縮図として映し出している。たぶん翻訳がものすごく上手いのだと思うが、これほど引っ掛からずにスラスラ読めた翻訳ものは久しぶりだ。解説が先日著書を読んだばかりの読売の元ニューデリー特派員だったのだが、カルチャーショックをテーマにした自著の宣伝をしていて、視聴者世界一のBBCと「購読者数世界一」読売の「格」の違いと言えばそれまでなのだが、この本との落差を感じさせずにいられない。

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