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2009年10月28日Wed [00:32] ブラジル | 本・雑誌 |読書メモ  

「出稼ぎ」から「デカセギ」へ

03113582.jpg出稼ぎからデカセギへ

不二出版 2009-05
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在日ブラジル人とデカセギ研究は世界的にも注目を集めるトレンドなのだが、この著者はブラジル研究に40年ものキャリアを持ちUSPの社会人類学博士なのだという。そのキャリアにおいて、自らがテーマとする研究がこれほど注目を浴びたことはそうなかったかと思うが、1978年の分からある既出論文まとめ。今後はデカセギの「帰国後」という新たなテーマが加わるかと思うが、「移民還流」の様な優れたノンフィクションが出てしまうと、30年分の論文を今、単行本化している様では、どうしても研究者の出遅れ感は目立つ。よって、その性格上、通史的なものにならざるをえず、事例研究はバストスと綾瀬だけ。バストスは「移民還流」にも出て来たが、日系人研究の草刈り場的存在である。同じくデカセギ研究の草刈り場である大泉や保見団地ではなく、綾瀬市というのは珍しいが、特に個別インフォーマントを使った調査ではない様だ。終章が結論ではなく、まとめに終始してしまうのは30年間の研究を振り返るという意味があるのだろうが、長らく類型化してきた日系人研究がここにきてターニングポイントを迎えていることが感じられる。

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