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2009年10月26日Mon [01:57] 米国 | 本・雑誌 |読書メモ  

ワシントンハイツ

ワシントンハイツ―GHQが東京に刻んだ戦後ワシントンハイツ―GHQが東京に刻んだ戦後

新潮社 2009-07
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全く知らなかったが、著者はキャスター出身の人らしい。櫻井よしこさん以前からこのパターンはあるけど、政治家に転向するよりはマシな話。滝クリは無理かな。間違ってもモナの道に倣っては欲しくはないのだが。で、この著者は留学して占領政策を研究したという本格派なのだが、内容的にはワシントンハイツが中心となっている訳ではない。ワシントンハイツそのもののことかと思って読むと肩透かしを食らうことになる。自身の専門として調べ上げたことを皆、詰め込んでしまった感じで、日米双方からみた占領政策という大筋のテーマはあっても、それぞれバラバラのエピソードが一本の線で繋がることはない。占領下日本が歴史に類を見ない成功を収めたことはたしかなのだろうが、その結果で生じたベトナムからイラクに至るまでのアメリカの壮大な勘違いによって、世界を不幸に陥れてしまった側面というものもあるのではなかろうか。イラクに家族を連れて滞在している米軍人はおそらくいないのではないか。敵愾心や復讐心といったものが希薄で、悲惨な記憶を消失させ、美化した記憶しか残さない日本人の特性といったものも考えなくてはならんだろう。家屋などの米軍の接収が有無を言わさぬ追いはぎな様なものであったのに対し、返還する際の補償要求が度を超していることは基地問題として未だ残された「戦後」なのだが、特定の国に対する反感を国民に植え付ける様な政策は日本人にはもう無理であろう。その意味でも日本では「平和」や「愛国心」は主語の無い空虚な響きを持った語であり、そんなものを金科玉条としている教育もまた空虚なものなのである。

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