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2009年07月27日Mon [23:50] ヨーロッパ | 本・雑誌 |読書メモ  

ビール・イノベーション

ビール・イノべーション (朝日新書)ビール・イノべーション (朝日新書)

朝日新聞出版 2009-07-10
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新書定番のモノを通じてみる世界史。コーヒー、紅茶は結構有るけど、ビールは消費量ほど研究が盛んではないのかな。その点、著者はキリンのビール工場長だった人。ビールの製造工程に対する関心度は並々ならぬものがあり、黎明期のビールも技術的尺度で解説してくれる。何となくワインは中東、ビールはヨーロッパで誕生したのではないかと思っていたのだが、ワインはアルメニア、ビールはエジプトが発祥の地だという。幸いエジプト政府はビール製造を禁止しておらず、街で普通に飲めるのだが、当然、ビール発祥の地であることエジプトがウリにすることはない。先の豚インフル騒ぎで、豚は全て皆殺しにされてしまったみたいだが、紀元前3000年頃の粘度板や壁画にビール作りの工程が描かれており、バーミヤンみたいに「イスラム過激派」のターゲットにならないか心配ではある。やがてビール作りの本場がヨーロッパに移るのは宗教的事情というより、都市国家が隆盛したからであろうが、ここでも大陸と英国では別の発展を遂げたことは現在でもその名残が有ることからも分かる。更に欧州が停滞し始めると、その「本場」は新大陸のアメリカに移る訳だが、生産量的には既に中国が世界一になっている様だ。自分も断酒して5年以上経つので、今の若い人たちはビールを飲まなくなったと言われても、あまり実感はないのだが、実際のところ若者だけではなく、法律上ビールではない「発泡酒」とか「第3のビール」が家庭消費では主流を占め、「ビール」は外で飲むものとなっているらしい。その理由は言うまでもなく酒税にあるのだが、外で「発泡酒」の類いを見かけないのは、どこの店でもドリンク類は高くつけているから、どうせならビールをということなのであろう。イスラム国家をみても、酒を飲まなければ、真面目に働くかというとそうでもなく、むしろドイツだの北欧だの酒飲み国家が経済的にも豊かであり、日本の飲酒文化もその経済発展に何がしかの貢献はしているのだと思う。とはいえ、ロシアや北米先住民など酒で身を滅ぼす文化が無い訳でもなく、要は程度の問題なのだろう。

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