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2009年07月26日Sun [01:04] 米国 | 本・雑誌 |読書メモ  

写真花嫁・戦争花嫁のたどった道

写真花嫁・戦争花嫁のたどった道 (日本女子大学叢書)写真花嫁・戦争花嫁のたどった道 (日本女子大学叢書)
島田 法子

明石書店 2009-06-04
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ポン女叢書も明石からか。これが第7巻らしいけど、巻末に目録が無いな。いつまでたっても続刊が出ない「アジア現代女性史」の目録が出てるけど。女性史というのは往々にしてそうなんだろうが、このテーマは女性と男性では視点が異なるだろう。執筆陣は女性9に男性1と思しきものだが、副題で「女性移民史の発掘」と位置づけている以上、従来の「野蛮な慣習」による被害者とか、「戦勝者の戦利品」といった見方で写真花嫁・戦争花嫁を論ずることとは一線を画している。その典型的なステレオタイプとして、「花嫁」側が下層の出で、学歴が低い女性で、「花婿」側もそれに準ずる見方というのがあるが、自ら「戦争花嫁」を母に持つ執筆者が言う様に、それは全くのステレオタイプに過ぎない様だ。共に日本が貧しい時代に、海外の豊かな生活を求めて嫁いだというイメージは世の男性によって作られたものかとは思うが、戦争花嫁をパンパンと同一視する風潮には彼女たちへの非難が入り交じったものだろう。もっともパンパンにしても、後に作られた映画などでの描写が恣意的なものである可能性が高く、当時は日常の風景としてそれほど気にも留められなかったのではないかという気がしないでもない。写真花嫁にしても戦争花嫁にしても、有形無形の圧力に屈してというより、自らの意思で選択した道であり、今みたいに「自分探し」の選択肢が揃っている訳ではないので、どうせ結婚しなくてはならないのなら、海外に行ける道を選んだという理由が多い様だ。その意味では純粋な恋愛感情を認めていないのだが、当時の結婚に恋愛が必要条件であった訳は無いし、今でも無いケースは幾らでもあるだろう。よって、海外での新生活は失望を招くことが多かったのだが、現時点の聞き取りでは、幸せであるとしている。住めば都だろうし、家族の存在もあるだろう。しかし、この論文集が移住先の後半生における苦労や葛藤をあまり調査対象にしていないと感じるのは男性的視点なのだろうか。

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