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2009年05月14日Thu [22:16] エストニア | 本・雑誌 |読書メモ  

IT立国エストニア 

IT立国エストニア―バルトの新しい風IT立国エストニア―バルトの新しい風
前田 陽二

慧文社 2008-10
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エストニアがIT立国として世界にその名を轟かせたのは、世界初のインターネット投票を実現させたからなのだが、それに驚いたのか、次世代電子商取引推進協議会という業界団体が早速、偵察を出した様だ。著者は三菱電機と日本ユニシスからの出向組。実際にインターネットで投票したのは僅か5%ほどで、インターネットで投票しながら、投票所でも投票した不届者も何十人と出たらしい。ネット投票を実現させた前提として、IDカードの普及があるらしいが、カード自体には最低限の情報しか挿入されず、個人情報のデータは各公共機関のサーバーに蓄積されているらしい。次世代電子商取引推進協議会が念頭に置いているのは、例の住基ネットだが、エストニアの様な小国だからできたのではなく、日本でもそれと同じシステムが構築できるはずだという結論が最初にありきの様だ。技術屋さんのレポートなので、プログラムに関する複雑な話が多いのだが、住基ネットを骨抜きにし、地デジ移行だけで大騒ぎしている日本でそれが可能かどうかは疑問が残るところ。法務局で謄本とったり、医療で処方箋が不要になったりというのは確かに便利なのだろうが、何も国民総IDカードを使わなくても、そうした試みは既に始まっており、要は習慣化するのに時間がかかるということではないかという気がする。日本にはIDカードが存在しないと言うと、多くの国で驚かれたりするのだが、イギリス、アメリカと崩れた牙城を日本は守っていくのも、監視化されていく世界の希望ではないかという気もしてくる。

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