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2009年02月26日Thu [23:49] コンゴ民主共和国 | 本・雑誌 |読書メモ  

モブツ・セセ・セコ物語

モブツ・セセ・セコ物語モブツ・セセ・セコ物語
井上 信一

新風舎 2007-05-15
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何故にモブツの評伝が今頃出るのかと思いきや、今年は没後10年ということになるらしい。それでも日本人の著者で、500ページ近いモブツ伝となるとかなり変った仕事ということになるのが、これが新風舎からというのもらしくない。著者は外務省出身の日本鉱業OBとのことで、現在はボランティア三団体の役員を務め悠々自適っぽいが、現役時代に痛い目にあったモブツという怪物に対してオトシマエをつけたといったところなのだろうか。ジュンク堂に並べられたりもしていたし、新風でもモブツのコミッションに比べれば良心的なものだったのかもしれない。副題に「世界を翻弄したアフリカの比類なき独裁者」と付けているし、たしかに世界の評価でそれ以下のものは少ないだろう。もっとも日本では猪木とか人食いで御馴染みのアミン大統領が最強とされているが、その桁外れの蓄財ではモブツに敵うものはそういない。著者のモブツに対する思いが、恨みつらみなのか、畏敬なのかは微妙なところがあって、やはりザイールで仕事をした者にとって、未だにモブツの呪縛は解け切れていないんだなとも感じる。面白いのは「ですます」調で文章が統一されていることで、その辺がモブツの呪縛なのかもしれないが、なんか「偉人伝」を読んでいる気分になる。また、肝心の日本鉱業が幾ら要求されたのかといったことは一切書かずに、日系企業の貢献を自画自賛しているのは白ける。コンゴといえば宗男秘書がそうだったかと思うが、ザイール時代には日本鉱業のカネ以外にも血税がだいぶ注ぎ込まれた筈だ。今、カビラの息子のどれだけくれてやっているのか知らんが、その辺はモブツも教訓としないとダメだろう。それにしても、晩年は相当苦しんだとはいえ、ちゃんとベッドの上で死ぬことができたのも、その蓄財がハンパでなかったことと無関係ではなかろう。そうなると独裁者が蓄財するというのは、それなりに理由があるというものだが、将軍様は果たしてそれだけの準備があるのだろうか。

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