FC2ブログ
2009年02月25日Wed [10:57] カザフスタン | 本・雑誌 |読書メモ  

カザフスタン 

カザフスタン―草原と資源と豊かな歴史の国カザフスタン―草原と資源と豊かな歴史の国
角崎 利夫

早稲田出版 2007-12
売り上げランキング : 458271

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


前に「初代大使の見たカザフスタン」ってヤツを読んだが、こちらは前大使のヤツらしい。この人もカザフスタン大使で上がりとなって、天下りの身らしいが、退官記念ものとしては意外に良い出来の部類ではなかろうか。宮仕えではなくなった気軽さからか、割と自由な記述が目立つ。中身的には王道で、地理、歴史、文化、政治、経済、地方、国際、そして対日と通り一辺倒ではあるのだが、本題から外れることは「蛇足ながら」で繋いでいて、この辺は好感が持てる。ギリシャ系が5000人もいて、ギリシャ大使館のレセプションに駆り出されたりしてたなんてことは、あまり知る余地もないことなのだが、そうした知られざる多民族国家の言語事情などは参考になった。この件に関しては、BSの小池A子が出てる世界のテレビを紹介する番組でも確認したことなのだが、若い人の間ではカザフ人同士でもロシア語会話が普通らしい。歴史的にも台湾の「国語」に近い事情なのだが、非カザフ、非ロシア系も少なくないということが、共通語としてのロシア語の地位が揺らがない要因になっている様だ。とはいえ、スラブ系住民の地盤低下は著しく、下層階級を形成しているというのは何か意外な気もする。ソルジェニーツィンとジリノフスキーが共にカザフ北部のロシア編入を訴えているというのも意外だが、カザフ・ナショナリズムに依拠した国民国家建設は国の崩壊を招くものであるのだろう。また、大使館アスタナ移転話なども興味深いが、国際関係もかなり整理できる。しかし、上海協力機構の「上海精神」の「翻訳」には笑った。まあこういう国際規約は現場では「翻訳」して読むものだろう。水谷尚子さんの本にも依拠している箇所があったりするのだが、大使館は在カザフ・ウィグル人組織と何か接触があったのかな。かなり同情的なので、それはそれで結構なことなのだが。

Re Comments.

Comment Form.

  管理者にだけ表示を許可する