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2004年の原書だが、題材は81年の「バビロン作戦」。著者は元LAタイムズの編集者で、在職中にたまたま興味を持ったこの作戦を調べることにしたということにしてある。なんでもイスラエル大使館での取材を終え、ロスに戻るフライトを変更して帰宅したところ、乗るはずだった便が9.11で墜落したのだという。奥付けの略歴には2007年3月に病没となっているのだが、2007年5月に書かれた訳者のあとがきには、そのことは全く触れられていない。病没は間違いないんだろうが、何か陰謀めいたものも感じる。ちなみにバビロン作戦に参加したパイロットの一人は、その後に宇宙飛行士となり、コロンビア号の事故で亡くなっている。この著者は秘密とされていた関連文書にアクセスできた最初のジャーナリストなのだそうだが、それが個人の力によって成されたものではないことは容易に分かることであろう。ならば、その「見えざる手」を動かしたのはモサドかCIAかという話になるのだが、いずれにしてもサダム・フセイン拘束という事態が、その扉を開かせたところはある様だ。作戦実行の詳細なプロセスも書かれているのだが、いささか「英雄段」的なところがあるのは否めない。アメリカの承認なしの電撃作戦であったというのは定説なのかもしれないが、作戦に使われた戦闘機がイラン革命でキャンセルされ、イスラエルに廻ってきたものだったとは知らなかった。イランのキャンセル分がイスラエルに廻ったのではイラクもたまったものではないが、サダムからみれば、それはアメリカの了承どころか、アメリカの計画である証左であろう。それが後のクウェート侵攻に繋がっているのだろうし、イラク戦争における米仏対立の原点とも言えるものだろう。となると、去年のシリア各施設(とされる)の空爆はイラン空爆への布石となるのだろうか。

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