![]() | アメリカ大陸コメ物語―コメ食で知る日系移民開拓史 松本 紘宇 明石書店 2008-09 売り上げランキング : 118028 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ニューヨーク竹寿司の経営者(だった人)の著者は、現在はベルギーで「竹寿司」を経営する傍ら、海外と日本食の関係のルポを手がけている。今回は南北アメリカのコメ受容のプロセスを日系人との関わりで描いたもので、明石らしくない本なのだが、友人の知人の大学教授に明石を紹介されたのだという。前にも出した様に新書系にすれば売れそうな本なのだが、そのままのボリュームで出すには明石が良かったのかな。北米も勝手知ったるニューヨークなどではなく、ハワイからアーカンソー、テキサス、カナダ、メキシコも東西南北端から端へ、ドミニカの移住地まで足を伸ばし、南米もマナウスからサンティアゴまで、内陸のボリビア、パラグアイの移住地へも訪れる。かなり移動には苦労を重ねた様だが、元々、旅人だった著者にとって、旅をして本を書くことができるのは至極なことなの「であろう。本題はコメなのだが、著者にとって一番興味があったのは、自分と同じ様に海外に雄飛した日本人にあった様で、これから会う人がどんな人か想像して、それが予想と違えば喜ぶというパターンが多い。サンパウロの高野書店などはコメとは関係なしで、自分と同世代であることに喜んでいるのだが、この辺は同級生感覚なのだろうか。この前読んだブラジル本にサンパウロの日本食レストランは500件、シュハスカリーアより多いと書いてあって驚いたのだが、この本では350件、シュハスカリーアなどでスシを出すところを加えれば600件以上としている。シュハスカリーアで寿司というのはちょっと想像つかんのだが、最近はバイキング形式で寿司を置くところが結構あるのだという。キロ計算の食べ放題は昔からあったが、あれの起源はどこだろうか。しかし、どこの国でも日本食レストランの主客が韓国人が多いというのも考えさえられる。問題となった「スシポリス」背景には韓国人や中国人の似非日本食レストラン経営への対抗という側面があった訳だが、日本人経営の日本レストランの主客も韓国人や中国人であるというなら、それも説得力を欠く議論である。パラグアイやボリビアなどで現地人客の比率が極端に低いのも経済的な事情だろうが、現地に日本を紹介する文化広報と日本食を位置づけること自体が間違っているのかもしれない。ニューヨーク初の寿司専門店をオープンさせた著者はその辺は「保守的」になりそうな感じもするが、逆にコスモポリタン的な日本料理の展開に魅力を感じている様だ。それもニューヨークで培われた感覚なのだろうが。


Trackbacks.
-
*アメリカ大陸コメ物語* のトラックバックURLはこちら
- http://neto.blog10.fc2.com/tb.php/3557-2c8cdf39

