2008年11月20日Thu [12:00] 中国 | 本・雑誌 |感想  

阿片帝国・日本

阿片帝国・日本阿片帝国・日本
倉橋 正直

共栄書房 2008-08
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阿片帝国・日本といっても戦前の「帝国」時代の話なのだが、著者はこの問題を専門にやっている人らしい。その前は「からゆきさん」→「従軍慰安婦」というコースで来た様で、次は毒ガス辺りであろうか。ということで、北朝鮮が覚せい剤を輸出しているなんて日本がしたことに比べれば大したことがないと擁護したりもしているのだが、せっかくの面白いテーマも色が濃すぎて損をしている風にも思える。満州の阿片王と言えば里見甫で、評伝も何種類も出ているのだが、著者が阿片王に選んだのは二反長音蔵という人。この人は全く知らなかったのだが、その遺族の下に大陸浪人の手になる極秘レポートが残されているらしく、その全文掲載と、阿片中毒患者の特効薬、阿片禁止運動に立ち上がった日本人の話などを加えたものが今回の内容。正体不明の大陸浪人のレポートがどれだけ信憑性があるのかは分からんが、まあ「日本軍国主義」の非道を暴く史料ということなのであろう。後半では渡辺利夫に噛み付いているのだが、これは渡辺が拓大学長の先人だった後藤新平を評価する一文を認めているからだそうで、著者に言わせれば、後藤新平こそ、阿片帝国日本の中国侵略における諸悪の根源だそうだ。という感じで全体的に教条的な印象が強い。名は体を表すではないが、おそらく著者は正直な人なのだろう。

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