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著者はキリスト教建築を専門としている人らしい。ということで、タイトル通りの写真集+散文といった体裁なのだが、写真家でもない一研究者のアルメニアの古ぼけた教会の写真集を出版してくれる奇特な出版社はなかなか見つからなかったとのこと。彩流社がある意味奇特であることは万人が認めるところだと思うが、ならば勝手にやってくれということなのか、「写真家でもない一研究者」の著者が、レイアウトから装丁まで全て自分でやったらしい。「手作り」のアルバムの雰囲気を出したかったということで、その点は「成功」しているのだろうが、この版型で縦書き、字がぎっしりだと異様に読みにくい。写真はは「玄人はだし」ってヤツなんだろうが、たしかに崩壊寸前の教会の写真は、工場とか病院に萌える廃墟系の人たちの趣味ともちょっと違うだろう。アルメニアの教会は街から外れた僻地に建てられているとは知らなかったが、教会がコミュニティの中心ではなく、あくまでも霊的なものだとすれば、それも当然だろう。もっとも、領主が自分の土地に建てたからというのがホントのところらしい。また、アルメニアが世界最強の美人国であるということが最近定着してきているが、女は子どもと老婆しか写っていない。とはいえ、そこに教会があるからというよりも、そこに酒があって女があるというのが、著者がアルメニアに惹かれた理由でもある様な感じもする。研究者として、それではイカンということになったのか分からんが、研究対象のベクトルをアルメニアからトルコへ移したのこと。よりよってトルコでは、アルメニア人に対する「裏切り」なのだが、この本は著者なりの別れた人に対するラブレターなのかもしれない。
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