![]() | 冷戦期中国外交の政策決定 牛軍 千倉書房 2007-09-10 売り上げランキング : 324882 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
千倉真理書房の本か。著者は北京大教授の牛軍。といっても、新潟大でやった講演のテープ起こしらしい。通訳をした人が訳者で、新潟大の先生だそうだが、北京大学の客員もしていて、日本人ながら、中国語でも本を出している人らしい。ということで、中共のお墨付きを得た説明が朝鮮戦争、中印紛争、ベトナム戦争、そして中ソ対立となされている。その基本的な立場は、中国は自ら戦争を仕掛けたことは一度も無く、やむを得ぬ事情で戦争になったという「反覇権」の宣伝。その延長線上に「中国脅威論」の払拭と「平和的台頭」のプロパガンダがある訳だが、援朝は金日成、援越はホー・チミンという「中国に信頼を寄せていた」指導者に頼まれて仕方なくということらしい。まぜは南侵の「共同謀議」を否定するのだが、朱建栄もそれをやっていたので、北朝鮮の関係から、対日言説として重視されているのかもしれない。で、アクサイチンとか、イリ事件、珍宝島などは、インド、ソ連の侵略行為がきっかえだそうで、中国は大々的勝利を収めたあと自主的に後退したとのこと。中越「懲罰」戦争については、「後に問題が生じた」としか書かれていないのだが、人海戦術で攻め込んで破壊しつくして撤退し、恐怖を残すというのは「作戦」として現在でも準備されているものなのだろう。そうなると与論島占領作戦というのも現実味を帯びてくるのだが、少なくともインド、ソ連、ベトナムについてはその「平和的撤退」が、その後の安定をもたらしたと考えている様だ。ビルマとの交戦といったあまり知られていない話にも言及しているのだが、ポルポト政権の樹立といった都合の悪い話は一切書かれていない。とにもかくも「中国は外国に覇権を求めず、その警戒を解く」というメッセージが発しられているのだということは分かったのだが、「国内問題」である台湾、チベットはその範疇には入らないということも分かる。つまりは、覇権は台湾を解決してからということだろうが、その節には「琉球」が「国内問題」として浮上するんだろうね。


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