FC2ブログ
2008年07月31日Thu [21:13] カナダ | 本・雑誌 |読書メモ  

カナダの歴史がわかる25話

カナダの歴史がわかる25話カナダの歴史がわかる25話
細川 道久

明石書店 2007-08
売り上げランキング : 289563

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


この「がわかる○話」は明石の新しいシリーズの様だが、この出版不況下、下手な鉄砲を当たる、当たらぬなどお構いなしに、やたら撃ってくるのもスゴイ。ほとんど図書館配本しか想定していないと思われるラインアップだが、それだけで、十分商売になるということなのだろうか。この新シリーズも「知るための」のジュニア版といった感じの体裁なのだが、将来の「知るための」読者養成というより、ついでのハミダシ企画みたいな安直さも感じる。ただ、日本カナダ学会研究奨励賞最優秀賞受賞という著者は気合が入っており、将来の清き正しき親加日本人を育てたいという意気込みは伝わる。歴史がテーマなのに、現代カナダを幅広く紹介する点に重点を置いているのも、移民までともいかなくても、留学とかワーホリでもいいから、若い人たちはカナダを是非訪れてほしいという思いからであろう。もっとも、カナダには歴史なんかないじゃないですかと言われたのが悔しくて、この本でカナダにも歴史があることを証明したかったということが、著者にとってはコトの本質であった様だが、そっちの方はカナダを侮辱した人間に対する答えになっているかどうかは分からない。本当にその様な発言があったかどうか分からぬが、これはヨーロッパ人の対米コンプレックスをステレオタイプ化した古典的なアメリカ侮辱発言のカナダ版で、「中国四千年」とか「ウリナラ半万年」と同質のものである。ここで先住民の豊かな文化を誇っても話の次元が違うのである。その辺が、神話まで史実に含めて歴史の長さを誇る歴史至上主義国家から移民してきた者が、カナダという新生国家の価値観と相容れない所以なのかもしれない。しかし、この本を読むとカナダ国民はカナダの歴史の一部であるという歴史の繋がりは感じる。聖徳太子も姿を消したし、卑弥呼や古事記が私の一部だとはとても思えない。歴史もやはり顔が見える相手ではないと、自分のアイデンティティの一部にするのは難しいなあ。

Re Comments.

Comment Form.

  管理者にだけ表示を許可する