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2008年07月29日Tue [02:09] トルコ | 本・雑誌 |読んだ本。  

新版 ドイツの中のトルコ

ドイツの中のトルコ 新版―移民社会の証言ドイツの中のトルコ 新版―移民社会の証言
野中 恵子

柘植書房新社 2007-10
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新版だそうだ。とはいえ92年の旧版に加筆修正した訳では無い様で、印刷まで含めて時代を感じさせるものとなっている。旧版も読んだ様な記憶はあるのだが、著者の27歳の時のデビュー作だったらしい。当時は全く気にならなかったと思うが、今読むと内容以前に、さすがに違和感がある部分が目立つ。著者がドイツのトルコ人たちにインタビューしたものが、そのまま載っているだけなのだが、ブルーカラー人たちの話し言葉と、学者とかケースワーカーの人たちの話し言葉をステレオタイプ的に区別しているのは気になった。本人の使用言語がドイツ語かトルコ語の明記もないのだが、日本語で「オレ」とか「ワシ」とかの一人称で意訳すると、著者の意図がどうだったのかは分からないが、「くだけた感じ」より、「無教養」の印象が先行すると思う。しかし、当時のスタンダードを考えれば、これが自然だったのかもしれない。いずれにしても、この時期に、「旧版」と一寸違わぬ「新版」を出す意図はなんなんだろう。統一が文字通り完成し、EU統合も実現し、ドイツの外国人問題もトルコ人問題とイコールでは、なくなってしまい、更には国籍法の改正もあったのだが、そうした変化について後追いしている訳でもない。たしかに「歴史資料」としての価値はあると思うのだが、版を重ねる名著という訳ではなかったろう。ドイツのトルコ人社会の多様性については伝わったけど、その「クルド性」について全く触れていないのも不思議だ。トルコをテーマにしているという著者にとって、当時はその後の取材にでも支障でもあったのであろうか。

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