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2008年07月25日Fri [23:16] 韓国 | 本・雑誌 |読書メモ  

創氏改名 

創氏改名―日本の朝鮮支配の中で (岩波新書 新赤版 1118)創氏改名―日本の朝鮮支配の中で (岩波新書 新赤版 1118)
水野 直樹

岩波書店 2008-03
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親北というより、植民地贖罪派といえる著者なのだが、これはわりと客観的なシロモノだった。「創氏改名」が強制的であったか否かについては、実際に自分で、その手続きをしたという人はあらかた亡くなり、月山明博の様な二世の「記憶」が、戦後韓国の「歴史認識」の枠内において、史実化されてしまった側面はあるだろう。ただ、「従軍慰安婦」や「強制連行」の様に日帝支配の象徴とまでになっていないのは、善良無垢な市民を身体的拘束を伴って連行するという「被害者イメージ」で語り継ぐには、不都合があるからでもあろう。著者は当然、その抵抗の記録を発掘しているのだが、岩波の水野本を以っても、この件に関しては「事大」の側面というのも否めない気がした。韓国人にその認識があったのか、あるのかは分からないが、著者も梶山季之の「族譜」が、韓国人の認識を改めさせたという「定説」自体は否定はしていない。梶山の小説が虚構に基づいていることは批判しているのだが、小説という性質上、史実に忠実である必要はなかろう。「創氏改名」に日本人が反対していたことは事実なのだが、それが日本人による差別であったにせよ、その動きを利用して阻止に持ち込むことは、やはり難しかったのだろうか。よく混同される「氏」と「姓」の問題や、女性側からみた改名問題など、「創氏改名」も多層的に考える必要があるとは感じた。今日の「通名」がその流れを汲むものであることは否定しないが、それが日本社会の変わらぬ差別であると単純に結論付けているのは、どうだろうか。著者のイデオロギー的なものにかかってくる問題なのだろうが、「在日」のアイデンティティとしての通名や、利便性のみで使用する通名も考慮すべきではなかろうか。

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