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2008年03月28日Fri [01:00] ロシア | 本・雑誌 |読書メモ  

ロシア式ビジネス狂騒曲 

ロシア式ビジネス狂騒曲―アヴォーシ=何とかなるかも (ユーラシア選書)ロシア式ビジネス狂騒曲―アヴォーシ=何とかなるかも (ユーラシア選書)
(2006/06)
さとう 好明

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著者は日本におけるアネクドートの第一人者。なのかどうか知らんが、東洋書店御用達のアネクドート屋さんであることはたしか。元々、モスクワ駐在のロシア語使いだったそうだが、フリーの通訳翻訳になった今でも、商社やメーカーに就職を経験していない「奇特」なロシア語屋たちとは違うというプライドがある様だ。ロシアのアネクドートも、インテリ連中の遊び道具であった訳だが、自分より頭が悪い人間が特権階級を形成していることに対する屈折した感情というものに、親近感を持ったのかもしれない。一応、この本のテーマはロシア・ビジネス事情ということになっていて、ロシア「素人」に対して、売春指南までしているのだが、基本はアネクドート。しかし、面白いのが一つもないというのも、ロシア流インテリと日本人プロレタリアートの感覚の差なのであろうか。ソ連時代の思い出話だけにしてくれれば大変良かったのにとも思うが、モスクワで最近、自分の前を歩いている人が目の前でドル札の束を落とすという詐欺に遭遇したというのは感慨深い。私は十数年前に、中国で一日に3回もこの詐偽に遭遇して、最後はおもわず笑ってしまい詐欺師に怒られたなんてことがあったが、これが十九世紀にウクライナ東部の詐欺師が発明した伝統ある技だとは知らなかった。ちょっと前に、日本にも南米経由で導入されたらしいが、さすがに日本語の怪しいペルー人ではうまくいかなかった様だ。オレオレ詐偽など、ロシア人には理解できないものだろうが、考えてみればナイジェリア詐偽などは、札束詐偽の発展系なのだろう。サラ金屋の前ででも、札束詐偽をやれば成功するかもしれん。

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