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初代大使が見たカザフスタン初代大使が見たカザフスタン
(2007/05)
松井 啓

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大使もの。タイトル通り初代の駐カザフスタン大使だった人の本だが、退任後十年、三回目の正直でようやく出版できたとのこと。著者が言うように「知名度の低い国だからダメ」だったのかどうかは定かではないが、退官記念で誰でも出せるのかと思っていた「大使もの」も、意外と敷居が高い様だ。この版元も聞いたことがないのだが、それなりに対価を払ったのだろうか。もっとも社長が痒いところまで手直ししたというのだから、良心的なところなのかもしれない。とはいえ、社長自ら鉛筆を入れたという大学教授の本が、面白いかどうかは別問題である。著者の思い出話は、まあいいとして、最後に政府広報みたいなカザフスタン・イントロダクションがたっぷりあるのは疲れる。著者はロシア・スクール出身で、カザフスタンの後に、ブルガリア、ナイジェリア大使も歴任した人らしいが、カザフスタンに一番思いいれがあるという。その理由は読めば分かることなのだが、とにかく思い出話は、ひたすら生活の「苦労自慢」ばかり。たしかに当時のカザフスタンには厳しいものがあったろうが、それはあくまで「大使水準」での苦労ということでしかない。どんなに抗弁したところで「不健康手当」であったろうに。その一方で、ナザルバエフをはじめ、外交関係の話はひたすらヨイショなので、対象的である。まあ苦労をかけた子ほど可愛いものであるということなのだろう。その辺は外交官の努めではあるのだが「北鮮」表記が出てくるのはビックリした。たしかに外交的には国交がないので、かつての「ワルソー」みたいに外務省には古い表記がそのまま残っているのかもしれないが、この部分には社長は鉛筆を入れなかったのかな。

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