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2007年11月21日Wed [22:22] 韓国 | 本・雑誌 |読書メモ  

21世紀 仏教への旅 朝鮮半島編

21世紀  仏教への旅  朝鮮半島編21世紀 仏教への旅 朝鮮半島編
(2007/03/01)
五木 寛之

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特に読みたくもなかったが、このシリーズも2冊読んでいるので、ついでに読んでみた。テレビの方も地上波深夜で始まったが、面白くなかったので、途中でサッカー中継などに変えてしまったのだが、前二冊の予習もあるし本は惰性で読める。さて五木と朝鮮半島というと因縁ある地ということは周知の通りなのだが、彼の地に対して逡巡する気持ちを吐露しているところだけは面白い。実際は韓国への旅であるのだが、あえて「朝鮮半島」としたのは地理的名称というというより、少年期に人生のどん底を見た平壌の記憶を問い直す旅でもあったからだろう。「ハングル語講座」のNHKはさすがに「韓国編」であって、講談社の書籍化が「朝鮮半島編」であるというのは意味深いものがある。敗戦後の五木一家に何が起こったのは、数年前に書いて、作家として長年の肩の荷を下ろしたこともあるので、あえて繰り返さないということなのだが、五木にとって「韓国」と「朝鮮」の堺は38度線ではないことはよく分かる。強盗や強姦のない戦争はないという至言にも表れているが、老いて宗教に魅せられるのも、全ての人にとって必然的ではなく、そうした原体験が必要ではないのかという気もした。とはいえ、誰しもが五木の様な天国も地獄もみた人生を送っている訳ではなく、小さな幸福と小さな不幸を人生の節々に感じるのが関の山であるのだから、そうした積み重ねである「日常」が崩れていく虚脱感に耐えられず、何かに救いを求めるのだろう。あくまで自分の内面を見つめ直すことが宗教の本質であるのならば、救済思想をウリにするエセ宗教が蔓延る一因は需要と供給の関係に立っているものなのかもしれない。

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