FC2ブログ
2007年05月24日Thu [11:26] リビア | 本・雑誌 |読書メモ  

リビアを知るための60章 

リビアを知るための60章 リビアを知るための60章
塩尻 和子 (2006/08)
明石書店

この商品の詳細を見る
世界制覇に向けて着々と進む「知るための」シリーズ。北アフリカの一番手はエジプトではなくリビアだった。さすがにこの国では執筆陣が不足しているのか、久々に一人著者ものである。リビアと言えば、日本人で初めてリビアの大学を卒業したという某教授がいるのだが、さすがにアブナイ系は明石カラーとは合わなかったのかもしれん。で、こちらの著者はアラブプロパーの研究者ではあるが、夫君は元駐リビア日本国大使で、リビアとの縁はその任期中ということらしい。なんか片倉夫妻と似たバックグランドだが、アラビア・スクールに飛ばされる外交官は改宗でもしない限り「現地調達」ができないから、こうした「自給自足」に走るのだろうか。てなことは余計なお世話なのだけど、貴重なリビア本だし、前に読んだのがピント外れの左翼が書いた紀行文だったので、こちらは勉強になったことはなった。立場的なものだろうが、アラブプロパーに特徴的な対アメリカの座標軸でアラブ側に偏った見方をする訳でも、逆に最近まで反米アラブの代表を自任してきたカダフィー(著者の表記はカッザーフィーだけど、面倒くさいから以下カダフィ)批判をする訳でもないので、なんかどっち付かずの印象がある。それだけ公平で客観的とも言えるのだが、なんか白黒ハッキリさせるみたいのが多い中東本では珍しい様な気もする。それに関連するかどうか分からないが、やはり立場上、日本政府の批判をする訳にいかないので、中東研究者のお約束である「アメリカ一辺倒」の日本や「イスラーム」に無知な日本人を正すなんてこともしないので、変に肩が凝らなくていい。そのリビア滞在中のメインはあくまでも「大使夫人」(リビア式では日本共和国代表部代表夫人)であったので、研究というより身の回りの出来事を書き記したといったところもあり、知り合いのガーナ人労働者の話で外国人労働者に対するリビア人の不当な扱いを代弁させたりしているのもさすが。リビアでも石油アラブ国家の例に漏れない現実があるらしい。カダフィに対しても複雑な思いがある様だが、核廃絶に対して評価をしているのは政府見解通り。少なくとも「大佐」は「将軍様」より賢明であることは間違いないところだ。


Re Comments.

Comment Form.

  管理者にだけ表示を許可する