FC2ブログ
2021年03月02日Tue [16:06] 中国  

近代中国の日本書翻訳出版史 



訳者も解説者も著者は研究者ではないので云々といったことを書いているのだが、経歴的には研究者であるし、内容的にも研究書であることに間違いないのだが、通史的扱いなのかな。このテーマで300年を網羅した「研究者」による本が他にあるのかどうか知らんが、データ、分析、解説の三拍子揃った分かりやすいものである。分らんが、現在の中国で日文翻訳は需要がかなりあって、それを目指す者も多くいるという背景もあるのかもしれん。所謂「字幕組」から正規の版権を獲った文学作品などに需要がシフトしている印象もある。現代中国語の語彙の相当数が日本語に由来していることも最近では多くの中国人が認知する様になっている。その嚆矢となった初期留学組の西洋本日本語重訳から、新中国需要と言うべき、科学書需要、内部発行の政治書、文革後の趣味本需要、そして現代の村上春樹、東野圭吾から漫画まで網羅しているのだが、中国の書誌データから漏れている日本書翻訳も相当あるのでは。日中関係がその翻訳出版と相関関係にあるのは間違いないが、戦後の友好ブーム、靖国、尖閣問題もあるのに、日本人の最大の対中好感度悪化案件である天安門事件には全く触れられていないのはお約束。

Re Comments.

Comment Form.

  管理者にだけ表示を許可する