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2019年09月20日Fri [14:19] 台湾  

親日台湾の根源を探る 

親日台湾の根源を探る―台湾原住民神話と日本人
諏訪春雄
勉誠出版
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勉誠は中国クラスタ界隈から最近糾弾されているし、「親日台湾」言説も忌み嫌う人たちが多いので、このタイトルだと(読まずに)ネトウヨ本認定されそうだが、著者は日本近世文学研究の大家。元々、中高教員だったこともあり、新書、選書のライト系フィールドに強く、85歳になってもその感覚は衰えていない。台湾原住民は大陸では大陸起原説、学説的にはマレー、ポリシネア系説が支持されている様だが、台湾原住民が親日なのは縄文系であるから、元々内地には同胞意識があったのではないかという説は初めて聞いた。アイヌと琉球の縄文繋がりは今や帝国言説ではなく、ゲノム的に解析された科学であるのだが、アイヌが清より内地に親近感を抱いたのは内地が渡来人である弥生人により原住民の縄文人が征服された自分たちと同じ境遇であったからだという。こうした伝承はもちろん学問によって受け継がれたものではないのだが、むしろだからこそ、時の政治やイデオロギーで左右される学問的バイアスとは無縁とも言える。最後の方で「ネトウヨ」認定される可能性もあるかもしれんが、読み物として面白かった。

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