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博論もの。新評論の北欧ものだが、ノルウェーもサーミもあまり「北欧教」シリーズでは取り上げられてこなかったテーマか。20年の英語教師生活から社会人院だそうだが、サーメ自体ではなく、サーメの教育という点に的は絞られている。キリスト教の教化教育、国民国家の同化教育を経て、その批判的アプローチから民族教育というプロセスは大抵の国の少数民族教育に共通しているのだが、世代ごとにバラバラの教育を受けたことにより、世代間に意識の分断が生じているところは検証されるべきであろう。そうしたエスニック・リバイバルで生まれた「近代サーミ」について書かれているのだが、近代サーミが「正しいサーミ」であって、同化サーミを「正しくないサーミ」とするラジカルな運動に繋がっているのかどうかは分からんが、ノルウェーの多文化主義がそれを阻んでいるという訳ではなかろう。サーミ自体が元々多文化であり、「近代サーミ」がサーミを単文化に収斂してしまう概念ならば、多文化主義を否定する事となるが、国民国家の中で権利を訴えるならサーミの単元化が必要になってくるという矛盾はあるか。

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