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2006年11月17日Fri [00:01] ブラジル | 本・雑誌 |オススメの本の紹介  

フチボウ 

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名前はブラジルっぽいけどイングランド人という記者が書いた賞味期限が切れた便乗本。しかも2002年原著初版の530ページもあるという大著のくせに、これがやたら面白い。少なくともジダンの頭突きが代名詞になってしまった大会よりは面白かった。とは言っても、サッカーとブラジル社会に基礎知識がある人以外が楽しめるかどうかは保証がない。ここには当然中田もアレックスも登場しないし、そもそも有名選手で主題として取り上げられているのはガリンシャとソクラテスのみ。この二人が著者の「セレソン」となったところに玄人ぶりが窺われるが、ガリンシャがブラジル史上最高の選手と言われるのはウソでもなんでもない。ペレは「王様」として「模範」の役目を死ぬまで務める運命だろうし(息子がその逆を行ったのもまた王道)、ジーコなんざへっ?という感じ。私はジーコの最盛期をリアルタイムで記憶しているが、ブラジル一の人気チームの10番だったリオ限定のスターというもの。そもそも白人はサッカーの「神」にはなれないのだ。ガリンシャの人生はルイ・カストロの伝記に依拠しているらしいが、黒人とインジオの混血の彼はブラジルの光と影、混沌を全て包容したまさにブラジルの象徴といった感がある。そうしたブラジルをブラジルたらしめているものをサッカーという切り口で解明するのがこの本の狙いで、登場人物のほとんどは日本では全く名前の知られていない人たちである。初っ端はフェロー諸島リーグでプレーするブラジル人選手だし、あの「カナリア」色のユニホームをデザインしたのは実はウルグアイサポーターというのは面白い。他にもいつも気になるニックネームの登録名もかなりの数を網羅していて、アトランタ・オリンピックでは「マイケル・ジャクソン」という女子選手がピッチに立ったのだとか(ただし『カレッカ』が抜けているのは不自然。著者の容姿と関係があるのであろうか)。他にも最近BSでドキュメンタリーが放送されたアマゾンの「世界最大のサッカー大会」も取り上げている。また、車や牛、ドラッグ・クイーン(PC的には服飾倒錯者と呼ぶらしい)のサッカーとか、沼地やビーチをグラウンドとするサッカーが組織化されているというのうは、サッカーの裾野という面で桁外れである。この本を読むと、いくら二軍が相手とはいってもワールドカップで日本が2点差以上でブラジルに勝つなんて言うこと自体、おこがましいことあることがあることがお分かりになるのではないか。そもそもジーコだって勝つとは言ってなかった様だし。

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