FC2ブログ
2006年11月14日Tue [23:50] インド | 本・雑誌 |読書メモ  

大図解 インド経済の実力

大図解 インド経済の実力大図解 インド経済の実力
門倉 貴史

日本経済新聞社 2006-05
売り上げランキング : 99740

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


著者は70年代生まれというのに、ものすごいペースで著作を増やしている当代一の売れっ子エコノミスト。しかし、95年に学部卒業で、銀行系研究所に入り、9年間で4つのシンクタンクを渡り歩き、10年目に独立という経歴には、どこか鬼気迫るものを感じる。例によって、そんなことは大きなお世話なのだが、これは著者得意のインド経済解説書。BRICs経済研究所と名付けた以上、BRICsには長持ちしてもらわないと困るのだろうが、ヨガブーム(なのか?)とか日本のカレー屋とか、何だか強引なテーマも混じっている様な気もする。ウリの「図」もごく普通のグラフのみ。まあ、それでも忙しい向きへの入門としては良いかとも思うし、カースト制度と美白製品の関係とか、チョコレート需要にみる中産階級の台頭とか、興味深い話もある。これでインド経済の実力がどんなものか感覚として分かることは無いかとは思うのだけど、気になるのは最近のインドに対する注目が、BRICsとか「印流」とかじゃなくて、中国牽制によるものじゃないかと感じられること。中国に疲れ果ててしまった結果、インドと組もうというのは、経済に限らず、政治にまで見られ始め、それを否定するつもりはないのだけど、それが中国と違ってインドは親日だからとか、インド人嘘つかない(!)といった誤解に基づくものであると、大きな落とし穴が待っている様な気がする。「ウヨ」の皆さんに大人気のパール判事とか中村屋のボースも単純な親日派というのとは違うだろうし、インド人が反中であっても「敵の敵は味方」という訳にはいかんだろう。大体、インド自体、周辺国にとっては「南アジアの中国」である以上、インドと組めば、パキスタン、スリランカ、ネパールを失うということにもなりかねない。その前に地理的、文化的にも隔絶したインドが中国の代替に成りうるのか疑問だ。数多いインド人の俗説のうち、私が同意するのは「インド人は数学的才能がある」というものだけだが、これも実は「人口が多いから、そういう人も多い」ということだったのかもしれない。

Re Comments.

Comment Form.

  管理者にだけ表示を許可する