FC2ブログ
2018年02月17日Sat [05:18] 東アジア  

国際移動と親密圏

国際移動と親密圏: ケア・結婚・セックス (変容する親密圏―公共圏)国際移動と親密圏: ケア・結婚・セックス (変容する親密圏―公共圏)
安里 和晃

京都大学学術出版会 2018-01-23
売り上げランキング : 281753

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


論集。タイトルから親族や友人を頼っての国際移住といったものを想像したのだが、親密圏とは介護や結婚、セックスを通した身体接触圏のことを言うのか。この3つは全く別の仕事として捉えられるが、国際移動という概念では同じ様な背景、つまりは経済的、物理的理由の移住という点では共通しているところがあり、学歴や経験といったものが程度の差こそあれ、移住の要件として厳しく要求されてはいない。フィリピン人のケースはその蓄積からよく知られているところであるのだが、そうした従来の被差別的労働問題以外にも親密圏のテーマは広い様だ。マレーシアとシンガポールの華人女性の母性規範はなぜ低いのかというテーマは興味深い。母性規範が低いことはプラスにもマイナスにも捉えられる訳だが、そもそも母性規範という概念自体フェミニズム的には忌避されるものではあろう。保育所落ちた日本死ねがマレーシアで通用しないのは子どもは実家の母親に預ければ良い、母親が出来なければ近所のオバサンという選択肢になるからであって、子どもは国の実家に預けっぱなしで、働くというのは在日華人夫婦にもよく見られるケース(不法滞在者に於いても)。父親の単身赴任が許されるのに、母親と子どもは離れては行けないというのは確かに男尊女卑的なのであろうが、日本の場合、母親自身が幼い子と離れることは考えにくいであろう。中国や華人社会に於いても、それは昔からそうであった訳ではなかろうが、現代化された社会に於いてそれが成立するのは子どもは親と離れて暮らそうが、親子関係は不変であるという確信があるからではあろう。それが儒教なのだと言えばそうなのかもしれんが。

Re Comments.

Comment Form.

  管理者にだけ表示を許可する