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2017年10月02日Mon [05:26] ドイツ  

 <和解>のリアルポリティクス

〈和解〉のリアルポリティクス――ドイツ人とユダヤ人〈和解〉のリアルポリティクス――ドイツ人とユダヤ人
武井 彩佳

みすず書房 2017-01-24
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たしかにドイツを見習って論には感情的になるところがあるのだが、ドイツを見習わなくてはならないとすれば、それは真摯な謝罪とかではなく、リアルポリティックスの姿勢であろう。ドイツが高い信頼性を得ているとしたら、日本も高い信頼性を得ていない訳ではなく、政治的妥協に基づく〈和解〉は以降に政治利用の余地を残すことになる。日本がそうであった様にドイツの国力が相対的に域内で低下すると、〈和解〉は反故される可能性もあるのだが、英国と違ってドイツはEUを担保にしている以上、政治、経済、軍事でその利益は保証されるのである。その点ではEU枠外のイスラエルとの〈和解〉がリアルポリティックスの教科書となる訳だが、イスラエルが常に戦時状態にあったことから、武器調達など安全保障上の理由で、イスラエルの側がから名目上の和解が求められた。ソ連と対峙した中国や北朝鮮と対峙した韓国と日本の関係と類似性はあろう。そもそも日本と中韓、ドイツとイスラエルの関係を同列に置くのは間違っているのではあるが、イスラエルによるドイツへの弾劾が無効であるのに、中韓の日本に対する弾劾が有効であるという観点から言うと、ドイツのリアルポリティックの方が抜かりが無いと言えよう。一連のナチスやホロコーストに関する表現の自由制限もリアルポリティックスの一部として理解されるべきだが、「こころの問題」で争っていてはどちらに歴史的正当性があるかという判定になり、当然ながら日本が不利な立場に置かれることになろう。国際的には妥協して、国内では一切妥協しないという形が日本の取るべき道だと思うが、領土の歴史問題化だけは例外とすべきであろう。

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