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2017年09月29日Fri [05:07] 中国  

国宝の政治史

国宝の政治史: 「中国」の故宮とパンダ国宝の政治史: 「中国」の故宮とパンダ
家永 真幸

東京大学出版会 2017-08-31
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猫の泉さんが表紙を話題にしていたやつ。あの家永の孫が高校時代に中国に留学していたというのも意味深だが、大陸の歴史は基本的にプロパガンダであるという理解だったものを大学院で石井明に窘められたらしい。川島真から若林正丈にスイッチしたそうだが、修論が故宮で、博論がパンダなのか。その2つをミックスしたものだが、パンダをメディア・ファクトリー新書という軽いもので済ませた事の後悔があったのかな。故宮もパンダもテーマ的に珍しいものではないのだが、2つを組み合わせることにより、大陸と台湾の対立軸も相乗的になるか。カバーの様なパフォーマンス以外では故宮とパンダの直接的関係性は無いが、台湾の故宮文物と中国のパンダは外交手段としては似たような使われ方をしている。60年代に国府が推し進めた日本での展示会開催を最終的に蒋介石が覆したのも「一つの中国」問題に関わる事情だったのだが、最近日本に来たパンダも故宮もほとんど外交的効果は得られなかったと見て良いだろう。むしろ現在では中国が台湾との「外交カード」としてパンダも故宮も利用するという形で、台湾の第二故宮博物院はそれに対抗する手段であるのか。台湾による日本での故宮展に中国がどう反応していたのか知らんのだが、少なくとも故宮博物院本体が外に出る事自体は「一つの中国」の利益になるという判断になるのかな。

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