2017年06月04日Sun [06:17] 韓国  

世界文学の構造

世界文学の構造 韓国から見た日本近代文学の起源世界文学の構造 韓国から見た日本近代文学の起源
曺 泳日 高井 修

岩波書店 2016-12-10
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韓国における世界文学は何かというテーマだと、例のノーベル文学賞悲願みたいなものかと思ったのだが。意外にそうした民族主義情緒に批判を向けている人だった。韓国文学翻訳を政府が推し進めた結果、大量の作品が翻訳されたが、海外の書店で見かけることはない。つまり民間主導でなければ、世界文学にはならないのだとのことだが、ここで日本との比較になるのは韓国のお約束なのだろう。村上春樹で儲けたカネで世界文学を翻訳しているというのが韓国の現状なのだそうだが、村上春樹が普遍的人気を得ているのはそれが無国籍であるからという韓国の定説にも疑問を呈している。司馬遼太郎は韓国では侵略者文学とされているというのは中塚明とか「良心的日本人」が司馬批判をライフワークにしているのこともあり想像に難くないのだが、そうした韓国の理解にも批判の矛先を向けている。国民文学とは帝国の勝利の物語であるというのはよく分からんが、李舜臣などは帝国ではなく、属国であるし、朝鮮戦争やベトナム戦争も自国の戦いという訳ではない。臨時独立政府や安重根、金九などの物語は民族主義であって、国民文学として世界の普遍性を得るものではないということか。「ムクゲの花が咲きました」がリアルの歴史であれば、国民文学として成立するのだろうか。

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